白鳥は 哀しからずや 空の青 海のあをにも 染まずただよふ
Wed 01 , 00:48:30
2013/05
妄想だらり。無双政宗で妄想。
酔っ払い政宗と、三成。三成→→←政宗くらいの関係。つきあってはないです。
酔っ払い政宗と、三成。三成→→←政宗くらいの関係。つきあってはないです。
きっと、自分こやつのことが好きなのだろう。そうでなくば、これほど心が揺れる理由がわからない。
政宗はしごく冷静にそう分析した。つもりだった。だが、残念ながら実際の所、そのときの政宗は冷静さとは無縁だった。もしも本当に政宗が冷静であったのなら、何が何でもその感情を否定したに違いないからだ。その感情をすんなりと受け入れることができたのは、そのときの政宗が酔っていたからだ。先の宴でしこたま呑んだ酒にも、此の状況にも。
政宗の背はそう高くない。だからといって低いと言うほどでもないのだが、損なことに孫市や慶次、幸村のような政宗と親しい面々がそろって長身であるために対比として実際以上に小さく見えてしまうのだ。また、昔より大人びたとは言えもともとの顔立ちが幼いことも相まって、年齢以上に子供扱いされてしまう傾向がある。
その晩も、そうだった。生意気で小賢しい厄介な相手という認識はあるものの、どうしても保護者のような気分をかき立てられてしまうのか、秀吉は政宗をたまにとても幼い者のように扱う。ねねが隙を見ては嬉々として政宗の世話を焼き、それを政宗が甘受することが余計にそれに拍車をかけていたのかもしれない。理由はともあれ、その日の宴で政宗は酔っていた。酒を好むがさして強いわけでもない政宗は、身内のみの宴ならばともかく、このように秀吉や家康のような地位の高い者と同席する場合は自戒するだけの賢さを持っていたのだが、その日はなぜだか妙に酒のまわりがよく、気づけばかなり酔いが回った状態だった。故に、それに気がついたねねが秀吉に耳打ちし、それを受けた秀吉が苦笑しながら三成に政宗を部屋に送るように言ったのだった。なぜ自分が、と軽く悪態を吐いた三成は、けれど彼にしては素直に立ち上がり、ぐずる政宗を抱えるようにして宴から辞していった。
常にない至近距離で、政宗はゆらゆら揺れる思考と視界をもてあましながらも三成をぼんやりと眺めていた。その視線に気がついているのかいないのか、三成は眉間に皺をよせたまま政宗を彼があてがわれている客室へ運び、周到に用意されていた布団に転がした。抵抗なく布団に転がり込んだ政宗は何とはなしに天井を見つめていたが、ふいに天井と政宗との間に不機嫌そうな三成に顔が現れ、どんどん近づき、気がつけば唇が重ねられていた。呼吸を妨げられたことは不満であったが、鼻までふさがれたわけではないため、窒息まではしない。酔ってけだるい身体では抵抗する気も起きずに、それをただ受け入れる。そう長いわけでもない口づけから解放され、至近距離で三成と視線をかわした政宗はただぼんやりと思った。
きっと、自分こやつのことが好きなのだろう。そうでなくば、これほど心が揺れる理由がわからない。
政宗は冷静なつもりであった。冷静なつもりであったが、実際はただの酔っ払いであり、理性の箍は普段よりも緩く、思考は素直であった。故に素面の政宗ならば絶対に認めない感情を認め、絶対に受け入れない行為を受け入れた。挙げ句の果てに、三成の着物の袷を軽く引っ張り、三成が政宗の隣に寝そべるのを見ると、満足そうに三成にしがみついて寝入った。
翌朝、昨晩の記憶を不幸にも保持してしまっていた政宗が朝一番に悲鳴を上げ、しかし己の悲鳴に二日酔いによる頭痛に打撃を与えられてしまったのは、まあ、当然の結果だろう。
政宗はしごく冷静にそう分析した。つもりだった。だが、残念ながら実際の所、そのときの政宗は冷静さとは無縁だった。もしも本当に政宗が冷静であったのなら、何が何でもその感情を否定したに違いないからだ。その感情をすんなりと受け入れることができたのは、そのときの政宗が酔っていたからだ。先の宴でしこたま呑んだ酒にも、此の状況にも。
政宗の背はそう高くない。だからといって低いと言うほどでもないのだが、損なことに孫市や慶次、幸村のような政宗と親しい面々がそろって長身であるために対比として実際以上に小さく見えてしまうのだ。また、昔より大人びたとは言えもともとの顔立ちが幼いことも相まって、年齢以上に子供扱いされてしまう傾向がある。
その晩も、そうだった。生意気で小賢しい厄介な相手という認識はあるものの、どうしても保護者のような気分をかき立てられてしまうのか、秀吉は政宗をたまにとても幼い者のように扱う。ねねが隙を見ては嬉々として政宗の世話を焼き、それを政宗が甘受することが余計にそれに拍車をかけていたのかもしれない。理由はともあれ、その日の宴で政宗は酔っていた。酒を好むがさして強いわけでもない政宗は、身内のみの宴ならばともかく、このように秀吉や家康のような地位の高い者と同席する場合は自戒するだけの賢さを持っていたのだが、その日はなぜだか妙に酒のまわりがよく、気づけばかなり酔いが回った状態だった。故に、それに気がついたねねが秀吉に耳打ちし、それを受けた秀吉が苦笑しながら三成に政宗を部屋に送るように言ったのだった。なぜ自分が、と軽く悪態を吐いた三成は、けれど彼にしては素直に立ち上がり、ぐずる政宗を抱えるようにして宴から辞していった。
常にない至近距離で、政宗はゆらゆら揺れる思考と視界をもてあましながらも三成をぼんやりと眺めていた。その視線に気がついているのかいないのか、三成は眉間に皺をよせたまま政宗を彼があてがわれている客室へ運び、周到に用意されていた布団に転がした。抵抗なく布団に転がり込んだ政宗は何とはなしに天井を見つめていたが、ふいに天井と政宗との間に不機嫌そうな三成に顔が現れ、どんどん近づき、気がつけば唇が重ねられていた。呼吸を妨げられたことは不満であったが、鼻までふさがれたわけではないため、窒息まではしない。酔ってけだるい身体では抵抗する気も起きずに、それをただ受け入れる。そう長いわけでもない口づけから解放され、至近距離で三成と視線をかわした政宗はただぼんやりと思った。
きっと、自分こやつのことが好きなのだろう。そうでなくば、これほど心が揺れる理由がわからない。
政宗は冷静なつもりであった。冷静なつもりであったが、実際はただの酔っ払いであり、理性の箍は普段よりも緩く、思考は素直であった。故に素面の政宗ならば絶対に認めない感情を認め、絶対に受け入れない行為を受け入れた。挙げ句の果てに、三成の着物の袷を軽く引っ張り、三成が政宗の隣に寝そべるのを見ると、満足そうに三成にしがみついて寝入った。
翌朝、昨晩の記憶を不幸にも保持してしまっていた政宗が朝一番に悲鳴を上げ、しかし己の悲鳴に二日酔いによる頭痛に打撃を与えられてしまったのは、まあ、当然の結果だろう。
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