白鳥は 哀しからずや 空の青 海のあをにも 染まずただよふ
Sun 27 , 01:48:32
2008/01
その一(?)
「笑えよ」
「どうして」
「なんとなく」
ちょうどいい理由が思い浮かばなくてそうこたえると、ふい、と顔を背けて彼は立ち去ってしまった。
「あーあ…」
(笑った顔が好きだから、なんて言ったらおまえはどうするんだろうな)
その二(サナ→ダテ)
「旦那ー、雨が降りそうだからそろそろ部屋に戻ってくださいよ」
「む、わかった。…おまえはどこへ行くのだ」
「俺?洗濯物取り入れに行くんですよ」
「そうか、ご苦労だな」
「いえいえ…でも、これって忍の仕事じゃないんですけどね」
「それが終わったら、団子を食いたい」
「はいはい、用意しますよ」
でもやっぱりこれって忍の仕事じゃない、と文句を言いつつ小走りで洗濯物を取り入れに行く佐助を見送って、俺は部屋に戻った。
鍛錬のために二槍を振るうたび、青い竜が瞼の裏にちらつく。
『かかってこいよ、真田幸村ァ』
彼の竜を思うとき、身体が熱く滾る。
何よりも俺を興奮させる男。
戦場を駆ける姿は舞うかのように美しく、しかし竜の二つ名の如く時に荒々しい。
戦場を離れればよい君主として国を治め、一個人としても多趣味であるあの方は槍を振るう以外に能のない俺から見れば驚くほどになんでもできる。
以前、あの方が舞うのを見せていただいた。
戦場で見せる荒ぶる戦舞ではなく、静かに妖艶な舞姿。
どちらも、俺を虜にする。
「早く…会いとうござる」
次の逢瀬は戦場かそれとも彼の城か。
どちらでもかまわない。
早く、会いたい。
視線を外に転じる。
ちょうど雨が降り始めたようで、雨音がしめやかにあたりを包んだ。
もっと激しく降ればいい。
そして、雷鳴が轟けば。
あの方を近くに感じることができるのだろうか。
その三(サナ←ダテ)
パチパチと枯葉を燃やす炎を見ていた。
(あいつの炎は、もっと熱いよな。…焼き尽くされそうなくらい)
こちらにまで飛び火して、俺は立場も何もかも忘れてあいつのことしか考えられなくなる。
「…shit!」
早く決着をつけたい。
だが、もっとずっと永遠に戦っていたい。
あの炎をまとった男が全身をかけて俺に向かってくる瞬間に、途方もない幸福を覚えるから。
「成実!」
思考を中断するため(誤魔化すため)、さっきからうきうきとこちらを伺っている従兄弟を呼ぶ。
「なーにー?」
呼べばすぐにやってくる様子は犬みたいだ。
(そういえば、あいつも普段は犬みたいなんだよな)
戦場の狂気がうそのように真っ直ぐで素直でお子様。
「芋焼けたぞ、さっさと食え!」
「んー、うまそう!…熱ッ」
幸せそうに芋を受け取って一口かじって、すぐにその熱さに舌を出す様子を見て笑った。
「ばーか」
(多分、あいつもこういうtypeだよな)
あいつのことを思考から追い出すことはできなかったけど。
とりあえず愉快だったからいいことにする。
その四(シカいの)
一日違いで生まれた幼馴染。
成長して、いつのまにか恋をして、気がつけば結婚して。
子どもができて、幸せになって。
そして、一緒に年をとっていく。
あたしの世界にシカマルがいなかったことはない。
シカマルの世界には、あたしが一日だけいなかった。
女のほうが長生きするって言うし、シカマルはめんどくさがりだし実はさびしがりだからあたしはシカマルより少しだけ長生きをしてあげようと思う。
「笑えよ」
「どうして」
「なんとなく」
ちょうどいい理由が思い浮かばなくてそうこたえると、ふい、と顔を背けて彼は立ち去ってしまった。
「あーあ…」
(笑った顔が好きだから、なんて言ったらおまえはどうするんだろうな)
その二(サナ→ダテ)
「旦那ー、雨が降りそうだからそろそろ部屋に戻ってくださいよ」
「む、わかった。…おまえはどこへ行くのだ」
「俺?洗濯物取り入れに行くんですよ」
「そうか、ご苦労だな」
「いえいえ…でも、これって忍の仕事じゃないんですけどね」
「それが終わったら、団子を食いたい」
「はいはい、用意しますよ」
でもやっぱりこれって忍の仕事じゃない、と文句を言いつつ小走りで洗濯物を取り入れに行く佐助を見送って、俺は部屋に戻った。
鍛錬のために二槍を振るうたび、青い竜が瞼の裏にちらつく。
『かかってこいよ、真田幸村ァ』
彼の竜を思うとき、身体が熱く滾る。
何よりも俺を興奮させる男。
戦場を駆ける姿は舞うかのように美しく、しかし竜の二つ名の如く時に荒々しい。
戦場を離れればよい君主として国を治め、一個人としても多趣味であるあの方は槍を振るう以外に能のない俺から見れば驚くほどになんでもできる。
以前、あの方が舞うのを見せていただいた。
戦場で見せる荒ぶる戦舞ではなく、静かに妖艶な舞姿。
どちらも、俺を虜にする。
「早く…会いとうござる」
次の逢瀬は戦場かそれとも彼の城か。
どちらでもかまわない。
早く、会いたい。
視線を外に転じる。
ちょうど雨が降り始めたようで、雨音がしめやかにあたりを包んだ。
もっと激しく降ればいい。
そして、雷鳴が轟けば。
あの方を近くに感じることができるのだろうか。
その三(サナ←ダテ)
パチパチと枯葉を燃やす炎を見ていた。
(あいつの炎は、もっと熱いよな。…焼き尽くされそうなくらい)
こちらにまで飛び火して、俺は立場も何もかも忘れてあいつのことしか考えられなくなる。
「…shit!」
早く決着をつけたい。
だが、もっとずっと永遠に戦っていたい。
あの炎をまとった男が全身をかけて俺に向かってくる瞬間に、途方もない幸福を覚えるから。
「成実!」
思考を中断するため(誤魔化すため)、さっきからうきうきとこちらを伺っている従兄弟を呼ぶ。
「なーにー?」
呼べばすぐにやってくる様子は犬みたいだ。
(そういえば、あいつも普段は犬みたいなんだよな)
戦場の狂気がうそのように真っ直ぐで素直でお子様。
「芋焼けたぞ、さっさと食え!」
「んー、うまそう!…熱ッ」
幸せそうに芋を受け取って一口かじって、すぐにその熱さに舌を出す様子を見て笑った。
「ばーか」
(多分、あいつもこういうtypeだよな)
あいつのことを思考から追い出すことはできなかったけど。
とりあえず愉快だったからいいことにする。
その四(シカいの)
一日違いで生まれた幼馴染。
成長して、いつのまにか恋をして、気がつけば結婚して。
子どもができて、幸せになって。
そして、一緒に年をとっていく。
あたしの世界にシカマルがいなかったことはない。
シカマルの世界には、あたしが一日だけいなかった。
女のほうが長生きするって言うし、シカマルはめんどくさがりだし実はさびしがりだからあたしはシカマルより少しだけ長生きをしてあげようと思う。
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