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白鳥は 哀しからずや 空の青 海のあをにも 染まずただよふ
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Mon 16 , 11:32:12
2007/07
国境の南、太陽の西   村上春樹
この本は、5月の実力テストに使われてたから気になって読んでみたんです。そうしたら…なんていうか、予想と違ったなぁ。いや、面白かったからいいんですけどね。

でも、村上さんの本ってまだ数冊しか読んだことないけど、登場人物の名前がほとんど出てきませんね。この本なんて、主人公の名前は「ハジメ」くんってことしかわかってませんよ。苗字が、出てこない。それてって、ある意味ですごいんじゃないかなぁ。で、相手の女性の名前も「イズミ」「有紀子」「島本さん」…。もう一人いたけど、その人は名前もでてこなかった。主人公視点の一人称のお話だから、まあ…それで不便はないんだな、と妙に納得。でも、すごいなぁ…。

村上さんの文章と、市川拓司さん(「いま、会いにいきます」とか書いた人)の文章って、似てると思う。内容は全然違うけど、でもなんていうか…文章の雰囲気が、似てると思うな~。
言葉の表現や言い回しが、スキだな。読んでて、なんとなく心にズーンと来る何かがある気がする。


僕はそんな風景を眺めながら、きっといつかこの光景を、どこかで目にすることになるんだろうなとふと思った。それはいわば既視感の逆だった。


「ねえ、わかるかしら。部屋の空気が少しずつ薄くなるみたいに、私の中で、生きていたいという気持ちがだんだん少なくなっていくの。そういうときには、死んでしまうことなんて、たいしてむずかしいことじゃないのよ」


ほかにもいろいろと気に入った部分はあるんだけど、とりあえずこの2箇所をあげてみました。
ほかにも、素敵な言葉がたくさんあるので、興味のある方はぜひぜひ読んでください。
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Fri 13 , 23:13:33
2007/07
雨が降ったり降らなかったり。
風が強かったり弱かったり。

でも、そんなことは些細なことです。
なぜかって?

今日は…めちゃくちゃ体調が悪かったのですよ!
帰りのバスの中で、泣きそうでした。しかも、家に帰ったら誰もいなかったし…。とりあえず、薬のんで毛布に包まって(…7月なのに)寝てました。
あ~…ほんとうに、きつかった。
今は、薬が聞いたおかげで平気ですけどね。しまったな~…。今までも、何度かこんな目にあって、そのたびにポーチに薬を常備させておこう、と決心するんですが、やっぱり咽喉もと過ぎれば熱さを忘れてしまうんですよね。毎回忘れて痛い目にあっています。
学習能力が足りないよ!
Tue 10 , 23:07:58
2007/07
激しく降りしきる雨の下、心さえも冷え切るほどに濡れそぼったのなら、誰にも気づかれないことでしょう。
わたしが、泣いている…なんてこと。
誰も、私に気づかないでしょう。




突然、雨がやんだ。

「…何してるの?」
「…カカシ先輩」

振り返ると、顔を半分以上隠したかつての先輩が微笑みながら立っていた。その手には、傘。雨粒が傘にあたり、パラパラと音を立てる。

「…先輩こそ。今、何時だと思っているんですか?」
「1時をすぎたくらいかな」
「寝ないんですか?」
「おまえは?」
「私は…」

言いよどむ私に、先輩はそれ以上何も言わなかった。
ハヤテが死んでから、私はうまく眠れない。
暗部に属するものとして、どんな任務もためらわずに成し遂げてきた。人が死ぬところなんて、もういやというほどに見てきた。いやというほどに、殺してきた。
それなのに…たった一人の死から、いまだ立ち直れない滑稽な自分がいる。

「…」
「…」

身体をずらして、先輩の傘から出た。
冷たい雨が身体に叩きつける。

「…夕顔」
「いりません」
「…」
「雨に…思い切り、打たれていたい…」
「…」

そう言って笑って見せたけれど、おそらく私は上手に笑えていない。
でも、先輩は優しく微笑んで傘を閉じた。

「そうだね…たまには、そんなのもいいかもしれない」
「…」

激しい雨に、瞬く間に先輩も全身濡れそぼってしまった。
銀の髪が雨にぬれて顔にかかっている。
ほとんど無意識のうちに、手を伸ばしていた。

「…」

顔にかかる銀髪をかきあげると、寂しそうな目で優しく微笑む先輩と目が合った。

「…風邪を、ひくよ」
「…」

先輩はそっと身体を引いて私から離れて、もう一度微笑んだ。

「オレは…もう、帰るよ。おまえも早く家に帰って…熱いシャワーでもあびて、寝なさいね」
「先輩…」
「おやすみ」
「…おやすみなさい」

雨は、変わらず降り続けている。
私は、相変わらず寂しくて悲しい。

ハヤテに、会いたい。

もう二度と会えないことを知っている。
それでももう一度、と願い続ける私に先輩は何も言わない。
先輩だけが、何も言わない。
ほかのみんなは、口々に忘れろ、と言ったのに。



この激しい雨に身をさらし続ければ、いつか…哀しみも消えてしまえばいいのに。
楽しかった思い出だけが、そうして残ればいいのに。
Mon 09 , 23:32:52
2007/07
ファイアーエムブレムを、ぼちぼちやっております。
ミカヤ隊弱い!!
グレイル傭兵団の強さに慣れてしまうと、かなりきついです…。ああ、シノンさんが懐かしいよぉ。ホント、勝てる気がしない。ストーリーが進まない!どうするべきでしょうね、これ。かなりきついです。もっとしっかり育てておけばよかったなぁ…。でも、ヤツラを育てるのはかなり難しいよ!


なーんて、わかる人にしかわからない話題はここまでにしておいて…。
最近、思うこと。
日本語って、難しいのでしょうか?
私は…あんまりそう思わないんですが…。友人たちと会話してても、その言い方おかしいだろ、とかそれ使い方間違ってるだろ、とかよくあります。んで、割と突っ込みますが、最終的には逆に「気にするな」と言われてしまう…。いや、別にいいんだけどさぁ…気になるけど、最近はあえてスルーの方向で。
でも、思うんです。
「時間限定のタイムセールでーす!」とか、お店の人が一生懸命叫んでるのって、どうよ。タイムセールって、もともと時間限定のものですよね?明らかにおかしいですよ、日本語として!「頭が頭痛」とか「筋肉痛、痛い」とか「骨を骨折した」とか、そんなレベルでおかしいですよ。

なるべく正しくてキレイな日本語を使いたいです。
Sun 08 , 21:55:42
2007/07
部屋の中が究極に汚い…。掃除をしようと思うけれどどこから手をつければいいのかわからなくて結局放置。
本棚が小さいんだよなぁ…。本も教科書も入りきりません。今使っているサイズの本棚ならあと2、3個ほしい感じです。それってどうよ…。

昨日、親友?と会いました。
ついでに、マンガを何冊か貸してもらって…昨日は、思いっきり読み漁っておりました。
ヤツは、今「コードギアス」にはまっていて…マンガと小説を託されました。いつか、私がもっと暇になったらDVDを押し付ける所存らしいです。
…でも、ここでひとつ問題が。ヤツが好きなカップリングと私が好きなカップリングは、逆なのですよ!ヤツはスザルル派、私はルルスザ派。
…いや、まあ…コードギアスは別にそこまで好きなわけじゃないから、スザルルも読めなくはないんですけどね…。
Wed 04 , 19:50:56
2007/07
「ねえ、手を出して」



差し出した手のひらに乗せられたのは、キレイなビー玉だった。
「?」
「あげるよ」
「どうしてですか?」
「部屋の整理をしてたらね、出てきたんだ。持っていてもしょうがないものだし…誰かにあげようと思ってとりあえず外に出たら、キミがいたから」

その人は、里でも有名な人だった。
ナルトさんとサスケさんとサクラさんの先生。
はたけカカシさん。
何度か挨拶はしたことがあるけれど、一対一で話すのは初めてだ。
キレイな銀髪だな、と思う。
顔の半分以上を隠しているしいつも笑っているから、本当の表情は読み取れないけれど、それでも不快な印象を人に与えることはない。
不思議な人だ。


「カイとかメンマとか…ほかの子にあげたほうがいいんじゃないですか?」
うちの両親はこの人とほとんど関わりはない。
もちろん、任務で一緒になったことは多くあるし、父様の先生はカカシさんのライバルだって聞いたことがあるけれど。でも、かかわりは圧倒的に少ない。
きっと、このビー玉はこの人の大切なものなのに。
根拠はないけれどそう感じたから、だからどうせならこの人にとってもっと大切な…もしくは、意味のある人にあげればいいのに、と思った。
「なんで?」
「だって…わたしも、わたしの両親もカカシさんとそんなに親しいわけでもないのに…いただけません」
「あ、名前覚えててくれたんだ」
にっこり。
嬉しそうに笑った顔を見て、論点がずれてる、と思ったけれど、意外に思った。子どものように笑う人だ。
「はい」
「ありがとね。…あのね、レイ」
「はい」
「深い意味はないから、遠慮せずに受け取ってくれると嬉しいんだけど」
「でも…」
あげるのなら、カイやメンマの方が妥当だろうに。
それなのに、どうしてわたしにこのキラキラ光るビー玉をくれるのか。それが気になった。
「どうしてわたしなんですか?」
「さっき言わなかった?」
「たまたまいたから…?」
「そう」
「理由になっていません」
ビー玉に心惹かれないわけでは、決してない。
キラキラと光るそれはとてもキレイで心引かれる。
でも、本当に受け取っていいの?
「そうだなぁ…」
カカシさんは、あごに手を当てて真剣に考え出した。
「…」
「ちょっと、貸して」
何か思いついたのだろう、わたしの手のひらの上に転がっているビー玉をひとつつまみあげて、陽にかざして見せた。
「ほら、キレイでしょ」
「?…はい」
「わかる?いろんな色に変わるの」
「あ、ホントだ…」
透明な玉だと思っていたそれは、陽にすけるといろいろな色に見えた。
「うわぁ…」
夢中になって見入ってしまった。

「…結局は、こういうことなのかもね」
「え?」
小さく呟いた声が耳に届いて、隣に立つ人を見ると、目が合った。
「レイ」
ビー玉をわたしの手の上に戻して、そのままカカシさんはわたしの額に触れた。
3ヶ月前に呪印をほどこされた、額に。
「あ…」
「自分を、縛っちゃダメだよ」

見られていたのか。
一人で、呪印に触れていた姿を。
昔と違い今では宗家とのわだかまりはほとんどない。それでも、分家の子どもは呪印を刻まれる運命にある。一生、宗家のしがらみからは逃れられない。それだけはこれからも変わらない。
わたしが呪印を刻まれることが決まった日、父が声を出さずにこっそり泣いていたのを知っている。
両親の前では大丈夫、気にしてなんかない、という態度をとり続けているけれど、一人になれば呪印は心に重くのしかかる。
枷を、はめられてしまったのだと。

「オレはね、キミのお父さんや…おじいさんも、知ってる。二人とも、すごく苦しんで、悩んで…。自分を縛っているように見えたよ。キミも、今…とても辛いかもしれない。でも、自分を縛っちゃダメだよ。難しいことかもしれないけど、可能性なんていくつも…本当にいくつも、あるんだから」
涙が、出た。
父様の前では、泣けない。母様の前でも、泣けない。
ずっと、泣けなかったけれど。
わたしは、ほとんど初めて話した人の前で、思い切り泣いてしまった。



「ほら」
ようやく落ち着いて涙もとまりかけてきたころ、カカシさんはビー玉の乗ったわたしの手の上にそっと手を重ねた。
(あったかい…)
「キミは、幸せにならなくちゃいけないんだよ」
「…」
「もちろん、大人になってからどう生きるかはわからないけどね、少なくとも…子どものうちは、毎日笑って、毎日幸せになる権利があるんだよ」
カカシさんの目はとても真っ直ぐで、とてもキレイだと思った。
「子どもは、幸せにならなきゃいけないんだよ」
ね?顔を覗き込まれて、涙でぐちゃぐちゃになっているはずだからはずかしかったけど、わたしはカカシさんの目を見てうなずいた。
「くじけそうになったら、このビー玉を思い出して。取り出して、陽にかざしてごらん。いろんな色に輝いて見えるから」
もう一度、うなずく。
「ありがとう…ございます」
カカシさんはにっこり笑って、それからわたしが完全に泣き止むまでそばにいてくれた。


カカシさんは、一族ではないのに写輪眼をもっている。どうしてあの人がそれをもっているのかわたしは知らないけれど、もしかしたらそのことでいろいろ辛い思いをしたのかもしれない。だから、わたしに気づいてくれたのかもしれない。ありがとう。本当に、心からあの人にありがとうと言いたい。どれだけお礼を言ってもまだ足りない。
優しい、人。





手のひらに残った7つのビー玉。
それはきっと、元気になれる、幸せの詰まった光の雫。
Tue 03 , 23:27:42
2007/07
いつの日か、もう一度会えたらいい。
そう、願っている――





こんな日には、オビトはよく遅刻してた。
澄み渡った空を眺めながら思った。



「だーかーらー、オレが悪かったって言ってるだろうが!」
「何それ。それで謝ってるつもり?」
「思いっきり、どこからどう見ても謝ってるだろう!?」
「…ふーん。…別に、いいけど」
「言いたいことがあるならはっきり言えよ!」
「べっつにぃ~」



オビトは今日は1時間と17分も遅刻した。たいした任務じゃなかったから別に被害はなかったんだけど、このバカのせいで1時間と17分、時間を損したと思うと腹が立つ。


「まあまあ、カカシ。そのくらいで勘弁してあげなよぅ」
「ん!細かいところにはこだわるな。で、オビト。今日はどうして遅刻したのかな?」

先生とリンはにこにこ笑いながらオレたちのやり取りを見ていたけど、流石に見かねたのか割って入ってきた。

「え~っとぉ…」
「ん?」
「その…」
「さっさと言えよ」
「うるせえな!今、言おうとしてたんだよ!」
「もう、オビトもカカシも、いちいち喧嘩しないで」
「…ごめん」

「で?」
「天気が…よかったから、ちょっとぼーっとしてたら…」
「まさか…」
「うっかり、寝ちまって………………おきたら、集合時間1時間過ぎてた…」

「………」
「………」
「………」
三者三様の無言。
やっぱり、これはオレの怒りも正しいのではないだろうか。リンもものすごく呆れた、っていう顔してる。先生は…何を考えてるんだろう?なんか、嫌な予感…。

「よし!」
「…」
「今日は、みんなで布団を干そうか!」
「はぁ!?」
「で、その布団でオレの家でお泊り会をしよう!お日様の匂いの布団、気持ちいいよ~」
先生の提案は、いつも唐突だ。
オレたちは三人そろってぽかん、と間抜け面を晒していた。
「じゃあ、みんな布団もって、30分後にオレの家に再集合ね」
にっこり。
機嫌のいい猫みたいな顔で笑って、先生はオレたちの返事を聞かずに姿を消してしまった。

「えっとー…」
「布団もって行くって…布団って、結構重いよね」
「うん。それに…布団かついで里の中を行くの?」
「かっこわ…」
「それ以上言うな。悲しくなるから」
「…ごめん」
「…」
「…」
「…」
「「「はぁ…」」」
ため息をつきながらも、オレたちは多分、うきうきしてた。
先生が子どもみたいなことをいきなり言い出すのは珍しくなかった。最初は呆れながらそれに乗って…気がつけば、4人で思い切り笑いあっている。


まだまだ“子ども”と呼ばれる年齢でありながら既に忍として裏の社会を見ているオレたちにとって、そんな当たり前の子どもたちのような出来事は、何よりの幸福だったのだと思う。先生はそこまで考えてオレたちにこういう機会をくれているのか、それとも自分がそうしたいからするのかわからないが――おそらく、両方だと思うけど――オレたちは心から楽しんでいた。

本当は何気ないはずのこんな日常ははオレたちにしてみれば全然何気なくないし日常でもなくてすごく特別なことなんだけど、でも、先生は当たり前のようにオレたちにそれをくれるから、オレたちも当たり前のような顔をして受け取っていた。
笑いあうオレたちを見て、一緒に笑いながら、先生はとても幸せそうだった。
だから…

「まあ、布団かついで道を行く恥くらい…どうってこと…どうってこと…」
「あるよな」
「うん」
「…裏道通っていこうか」
「うん」
「さんせーい」

まあ、流石に遠い目になってしまうのは…しょうがないけれど。





いつの日にか、あんなにも幸福な時間を共に過ごした彼等ともう一度会えることを願っている。
それは、オレが生きている限りはムリなことなのだろう。
でも、いつか…いつか、オレが天寿を全うして、しわくちゃのおじいさんになって、老衰で死んだら、彼等はきっと笑って受け入れてくれる。

『おまえ、しわくちゃのじじいになったなぁ』

なんて笑いながら、受け入れてくれるはずだから。
だから、オレもその日が来たら笑って言うよ。


『永遠のガキに言われたくないよ』
Mon 02 , 19:55:48
2007/07
ここ数日、気持ちが下向きです。

ある人の…ある言葉が、許せなくて。
その言葉自体は別に、初めて言われたわけじゃないんです。その人はそれまでにも何回もそれを言いました。私は言われるたびに悲しくて、悔しくて…。我慢、するのもそろそろきついかなぁ、と。
その人に、直接そのことを言うつもりはありません。おそらく、言ってもその人にはわからないだろうから。見せ掛けだけ取り繕われてもむなしいだけです。でも、きっと言わなければ一生わからないだろう、とも思っています。
深い考えもなしに言った言葉なのでしょう。その人にとっては深い意味などなかったのでしょう。それをわかっているのに、こんなにも傷ついて許すことができない自分がイヤです。でも、あの言葉を許してしまえば私の今までの努力を否定することになりそうで、それもできません。
許したいけど許せないし、やっぱり許したくない。

怒りを持続させるのは難しいですね。でも、しばらくの間はその人を許さないことに決めました。…なーんて言っても、せいぜいなるべく一緒にいないようにするくらいしかできませんけどね。

愚痴愚痴な日記ですみませんでした。でも、抱え込んでいたくなくて…どこかに吐き出したかったんです。不快にさせてしまったらごめんなさい。
Sun 01 , 15:04:53
2007/07
ゆめを、見ていた。
懐かしいゆめを

きら きら
  きら きら

輝いていた。
あのころの――





「こっちだ!」
「シッ、ヤバイ、誰か来るぞ」
「げっ、マクゴナガルじゃん」
「急げ!!」


コツコツコツコツ


「…行ったか?」
「多分」
「もうちょっとたってから行こうか」
「うん」






「よーっしゃぁ!」
「悪戯成功!!」
「フ~…ひやひやしたよ」
「ホント、キミたちといるとスリルには事欠かないね」
胸を押さえながら興奮の冷めない赤い顔でそう言うピーターをシリウスが軽く小突く。
「いてっ」
「なーに言ってんだよ」
恨みがましそうに見上げた先にはシリウスの呆れたような顔。
「わかってるのかい?」
シリウスの肩から顔を出したジェームズがシリウスと同じ顔をして僕に言う。
「な、何が…?」
シリウスとジェームズが顔を見合わせて同じ笑みをうかべた。

ニヤリ

まさに、そんな感じ。彼らお得意の何かたくらんでる顔。

「キミも、共犯者なんだよ?」
「仲間、なんだからな。一蓮托生に決まってるだろ?」
「なーに、傍観者みたいなこと言ってるんだが」
「覚悟が甘いぞ」
「…」
「主犯者はキミたちだけどね」
呆れ顔のリーマスがそう言って、シリウスがそれに文句を言って、ジェームズが楽しそうにニヤニヤ笑っているけれど、僕はそれどころではなかった。

小さなころから、愚図、のろまと言われて友達なんて一人もいなかった。
ホグワーツに入ってから出会った彼等はとてもかっこよくて、素晴らしくて、だから僕みたいなのろまでも仲間に入れてやろう、ってしかたなく入れてくれたんだと思ってた。
でも、違った。
彼等は、本気で僕を仲間だと思ってくれている。
僕を、仲間だと…なんの躊躇いもなく、言ってくれる。
こんなゆめみたいなことが、あっていいのだろうか。
本当に、これは現実だろうか。

驚きか感動か戸惑いか…とにかく、突如として胸を襲った感情に呆然としていると、リーマスと目が合った。
リーマスは僕を見てにっこり笑った。
いつの間にかじゃれあいはシリウスとジェームズの二人になっていた。
本当に、彼等は仲がいい。まるで、双子みたいだ。

「ふあぁ…」
「ああ、もう寝たほうがいい時間だよね」
欠伸をすると、消灯時間なんてとっくに過ぎているけれど、と言いながらリーマスはじゃれあっている二人に声をかけた。
「そろそろ寝ようよ」
「ああ、そうだな」
「ほら、ピーター。行くぞ」
躊躇いもなく差し出された手。

「…」
「?どうしたんだよ」
その手をじっと見ていると、シリウスは不思議そうに首をかしげた。
「べ、別に…」
自分が何を考えていたのかばれれば、また呆れられるだろうから、慌てて首を横に振る。
「ふーん…?」

しばらく訝しそうに僕を見ていたけれど、早く部屋に戻りたかったのか…あるいは特に何も考えていなかったのか、シリウスは僕が彼の手を取るより先に僕の手を掴んだ。
「ほら、さっさと戻るぞ」
指の長い大きな手はしっかりと僕の手を掴んで呆れるくらい強引にひっぱっていく。

「ああ、もう…ジェームズたち、もうあんなところにいるじゃねえか」
「ご、ごめん」
「…謝るなよ」
「ごめん」
「だから、謝るなってば…」
見上げると、月光に照らされた彼のキレイな顔は少し怒ったような、困ったような表情に見えた。
「おまえさー…いっつも、なんか…オレたちに対して一歩ひいてるっていうか…なんつーか…。とにかく、なんか、ちょっと後ろにいる感じがするんだよ」
「…」
「遠慮なんてするなよ。そんなの違うだろ。オレたち、仲間だろうが」

シリウスの言葉は、真っ直ぐだった。
大概において、シリウスは真っ直ぐだ。
きっと、僕たちの誰よりも真っ直ぐだ。
その真っ直ぐさはまぶしいほどで、いつだって彼は“ブラック家の”シリウスではなく、“グリフィンドールの”シリウスとして立っている。
最初は、僕は彼が怖かった。けれど、そのことに気づいてからは別の怖さがあった。いや、怖さと言うよりも…恐れ、畏怖、それから…憧れ。
僕には持ち得ないものを持っている、強い、強い少年。
手を伸ばしても届かない、遠い場所にいる人。

「仲間って…対等なものだろ?ちゃんと、顔上げろ。うつむくなよ。…目を見ろ。言いたいことがあったら、なんでも言え。オレだって、いつも好き勝手言ってる」
グイ、と顔を上向かされた。
「シ、シリウス…」
「相手と対等な目線で物を見ろ。自分を卑下するな」
その言葉は、どこか自分自身に向けられているようにも聞こえたけれど。
それでも、僕は十分に嬉しかった。いや、嬉しかったのかな?そんな言葉じゃ足りないけれど、とにかく…何かの感情で胸がいっぱいになってしまって…気がついたら泣いてしまっていた。
「お、おい、ピーター、泣くなよ…おいってば」
慌てふためいたシリウスの声がおかしくて、笑おうとしたらますます涙がぼろぼろ落ちていった。

「あーあー、シリウスがピーター泣かせたー」
いつの間に近くにやってきたのか、ジェームズが言った。
「ダメじゃない、シリウス」
リーマスも同じようにシリウスに文句を言う。
「な、な、泣かせてない!オレは何もしてない、…よな?」
言いながら不安になったらしいシリウスは慌てて僕の顔を覗き込んだ。その慌てっぷりが面白かったから僕はあえて何も言わないでいた。
「おい、否定しろよ~」
シリウスの、情けない声。
僕は耐えられずに思いきり笑ってしまった。
シリウスの隣ではジェームズもリーマスも大声で笑っている。
「~~~~っ」
からかわれていたと気づいたシリウスは、顔を真っ赤にしてジェームズを殴っていた。




ゆめを、見ていた。
遠い、遠い昔のゆめを。

きら きら
  きら きら

光り続けるあの星。
星、はとてもとても遠くにある。
だから、僕らが今見ているあの光は、本当は遠い遠い昔に死んでしまった星のものだってきいたことがある。

きら きら
  きら きら

懐かしい、光よ。
もう二度と戻らない過去の光よ。

輝いていた、あのころの、僕たちのつかの間の幸福よ
Fri 29 , 21:26:23
2007/06
とりあえず、テスト終了!!
開放感がすばらしいです。
もう、踊りだしたいくらい。
結果なんて今は考えていられませんよ。月曜日からが怖いけど…とりあえず、今は先のことは考えなーい!!


なんか、今回のテスト週間中はやたら寝てました。寝ても寝ても、まだ寝たりない、みたいな…。体調がよくなかったんでしょうかね、一度、計ってみたら微熱あったし。貧血も…立ちくらみがよくあります。
テスト週間中って、どうしても生活が不規則になる傾向がありまして、結構きつかった!
そんで、テスト週間中はパソコンは自粛しますが、そんなときに限って書きたくなって…ちょっとジレンマ。


ま、とりえずしばらくはテストはないけれどオベンキョウはしなきゃいけないんで更新は相変わらずのらりくらりだらだらと。

あー…温泉でも行って1週間くらいのんびりしたい……。
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学生
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読書、昼寝
自己紹介:
更新はまったり遅いですが、徒然なるままに日記やら突発でSSやら書いていく所存ですのでどうぞヨロシク。
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