白鳥は 哀しからずや 空の青 海のあをにも 染まずただよふ
Wed 08 , 23:48:34
2010/09
現代で、学生で、佐助と政宗がメインのお話のねたがふってきたので書き始めたけど途中であきたので、とりあえず途中まで書いてみたのでのっけてみました。
んー、佐助→政宗っぽい…のかな。
なんか、迷走した感があります。
んー、佐助→政宗っぽい…のかな。
なんか、迷走した感があります。
政宗は絶対に自分からはメールを送ってこない。だから俺から誘わなければ一緒に遊ぶことも、会うことも、ない。
なんだか、それが一方的な友情のように思えて悔しくて、この夏休みは絶対に自分から政宗にメールをしない。そう、決めていた。
佐助と政宗は友人として結構親しくしていたし、部活のある幸村や地元のチームをまとめている元親と違って、お互い暇人なのだ。きっと退屈した政宗もさすがにメールでもして誘ってくれるだろう、と思っていた。
しかし、夏休みの40日間、一度も政宗は佐助にメールをしなかった。
手持ち無沙汰に負けて何度も佐助は政宗にメールを送ろうと携帯をひらいて、けれどだめだだめだと自分に言い聞かせて、我慢していた。
そうこうしているうちに、夏休みは終わった。
夏休みの間、一度も会わなかったというわけではない。幸村と元親と元就と慶次を加えた五人で海に行ってスイカ割りやビーチバレー、そして肝試しと花火をした。
政宗を街で見かけたこともあった。幸村と一緒にいるところも、元親と一緒にいるところも、慶次と一緒にいるところも、元就と一緒にいるところも見た。
けれど、佐助が長い夏休みのうち一日でも、政宗と二人で遊ぶことはついになかった。
「政宗ってさあ」
たまたま、教室に二人だけだった。夕日の差し込む教室で、佐助は元親のほうをみないまま口を開いた。
「メール、嫌いだよね」
「は?どこがだよ。むしろあいつメール好きだぜ?意外にさびしがりなのな。一人で退屈するとすぐ送ってきやがる」
「…」
「…おまえ、あいつとメールしねえの?」
「しない、わけじゃないよ」
「…」
嫌われているわけではないと思う。政宗は誘われたとしてもきらいな相手とは遊ばないし、一緒にいてもあんな笑顔は見せてくれない。
だからこそ、なぜ自分にだけはメールを送ってくれないのかがわからない。
(なんで、俺だけ…)
↓
(で、問い詰める佐助)
「ねえ、なんで俺にはメールしてくれないの?」
「…」
ポーカーフェイスは得意なはずだった。嘘やごまかしも得意技の部類だ。だけど、さりげなさを装ったつもりなのにまったくうまくいかなかった。
「…」
「チカちゃんとか旦那とかにはしょっちゅうメールしてるんでしょ?でも、俺には一度も自分からメールしてくれないよね。ねえ、なんで?」
佐助は他人に深入りしない。それは、深入りされるのが怖いからだ。その例外は幸村だけで、こちらの事情なんてまるっと無視して深くに入り込んでくる幸村に時折むしょうに腹が立つけれど、それ以上に救われている。そして、その逆に裏表のない無邪気な幸村だからこそ、佐助は幸村の開け放たれた懐深くに入るのが怖くはないのだ。
しかし、政宗は違う。気を許しながらも根っこのところで他人を信じ切れない男だ、と友人になってすぐに気づいた。そして、そんなところが自分と似ている、と。懐にいれた相手をどこまでも信じ甘やかすくせに、決して深いところを見せない。逃げ水のように、触れようとすれば逃げるのだ。そして、貝のように固く閉ざしてしまう。
だから、少し後悔していた。こんなことを聞いてしまったらきっと政宗は佐助から遠ざかるだろう。
でも、それでも、我慢できなかった。
「…ひとりは、さむい」
「…」
「だから、俺はあいつらにメールしたりして、少しでもつながりを求める」
「…」
「あいつらは、あったかい…から」
一瞬だけ佐助を見て、けれどすぐに興味を失ったかのようにどこか遠くを見るようにそう言う政宗が、自分を見ないのが気に食わなかった。
「少しだけ、寒さが和らぐ気がする」
「…俺は、あったかくないの?」
「おまえは…」
言葉を捜すように一度口を閉じた政宗は佐助を見ないままに目を伏せ、それからゆっくりと話し始めた。
「俺とおまえはどこか似ていて…俺はおまえと一緒にいると楽しいが、それと同時にひどく…そう、ひどくさみしくなる」
伏せた目を上げた政宗が佐助を射抜く。たったひとつの目が写すどこか切なげな光に、ひどく焦がれる自分がいた。
「二人でいてもさむいんだ。それならいっそ、ひとりでいたほうがいくらかましだ」
なんだか、それが一方的な友情のように思えて悔しくて、この夏休みは絶対に自分から政宗にメールをしない。そう、決めていた。
佐助と政宗は友人として結構親しくしていたし、部活のある幸村や地元のチームをまとめている元親と違って、お互い暇人なのだ。きっと退屈した政宗もさすがにメールでもして誘ってくれるだろう、と思っていた。
しかし、夏休みの40日間、一度も政宗は佐助にメールをしなかった。
手持ち無沙汰に負けて何度も佐助は政宗にメールを送ろうと携帯をひらいて、けれどだめだだめだと自分に言い聞かせて、我慢していた。
そうこうしているうちに、夏休みは終わった。
夏休みの間、一度も会わなかったというわけではない。幸村と元親と元就と慶次を加えた五人で海に行ってスイカ割りやビーチバレー、そして肝試しと花火をした。
政宗を街で見かけたこともあった。幸村と一緒にいるところも、元親と一緒にいるところも、慶次と一緒にいるところも、元就と一緒にいるところも見た。
けれど、佐助が長い夏休みのうち一日でも、政宗と二人で遊ぶことはついになかった。
「政宗ってさあ」
たまたま、教室に二人だけだった。夕日の差し込む教室で、佐助は元親のほうをみないまま口を開いた。
「メール、嫌いだよね」
「は?どこがだよ。むしろあいつメール好きだぜ?意外にさびしがりなのな。一人で退屈するとすぐ送ってきやがる」
「…」
「…おまえ、あいつとメールしねえの?」
「しない、わけじゃないよ」
「…」
嫌われているわけではないと思う。政宗は誘われたとしてもきらいな相手とは遊ばないし、一緒にいてもあんな笑顔は見せてくれない。
だからこそ、なぜ自分にだけはメールを送ってくれないのかがわからない。
(なんで、俺だけ…)
↓
(で、問い詰める佐助)
「ねえ、なんで俺にはメールしてくれないの?」
「…」
ポーカーフェイスは得意なはずだった。嘘やごまかしも得意技の部類だ。だけど、さりげなさを装ったつもりなのにまったくうまくいかなかった。
「…」
「チカちゃんとか旦那とかにはしょっちゅうメールしてるんでしょ?でも、俺には一度も自分からメールしてくれないよね。ねえ、なんで?」
佐助は他人に深入りしない。それは、深入りされるのが怖いからだ。その例外は幸村だけで、こちらの事情なんてまるっと無視して深くに入り込んでくる幸村に時折むしょうに腹が立つけれど、それ以上に救われている。そして、その逆に裏表のない無邪気な幸村だからこそ、佐助は幸村の開け放たれた懐深くに入るのが怖くはないのだ。
しかし、政宗は違う。気を許しながらも根っこのところで他人を信じ切れない男だ、と友人になってすぐに気づいた。そして、そんなところが自分と似ている、と。懐にいれた相手をどこまでも信じ甘やかすくせに、決して深いところを見せない。逃げ水のように、触れようとすれば逃げるのだ。そして、貝のように固く閉ざしてしまう。
だから、少し後悔していた。こんなことを聞いてしまったらきっと政宗は佐助から遠ざかるだろう。
でも、それでも、我慢できなかった。
「…ひとりは、さむい」
「…」
「だから、俺はあいつらにメールしたりして、少しでもつながりを求める」
「…」
「あいつらは、あったかい…から」
一瞬だけ佐助を見て、けれどすぐに興味を失ったかのようにどこか遠くを見るようにそう言う政宗が、自分を見ないのが気に食わなかった。
「少しだけ、寒さが和らぐ気がする」
「…俺は、あったかくないの?」
「おまえは…」
言葉を捜すように一度口を閉じた政宗は佐助を見ないままに目を伏せ、それからゆっくりと話し始めた。
「俺とおまえはどこか似ていて…俺はおまえと一緒にいると楽しいが、それと同時にひどく…そう、ひどくさみしくなる」
伏せた目を上げた政宗が佐助を射抜く。たったひとつの目が写すどこか切なげな光に、ひどく焦がれる自分がいた。
「二人でいてもさむいんだ。それならいっそ、ひとりでいたほうがいくらかましだ」
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