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白鳥は 哀しからずや 空の青 海のあをにも 染まずただよふ
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Sun 10 , 02:26:57
2008/02
願わくは の下にて 死なん その如月の 望月の頃 (西行)



昔、そんな歌を詠んだ歌人がいた。
(それも悪くないけどな)
だが、と政宗は目の前に広がる雪景色を見て思う。


深く長い奥州の冬。
その厳しさは時として人の命を容赦なく奪っていく。
雪に閉ざされ陸の孤島と成り果てる竜の守護する北国。
如月になろうともまだまだ雪の残るこの国では彼の歌の願いは叶わない。



「小十郎」
隣に控える忠臣に語りかけるというよりは、心のうちを吐き出すような声。
「どうせなら、俺は」
開け放した障子戸から凍てつくような冷気が入ってくるのもかまわず政宗は笑う。
「こんな雪景色の中、冴え渡るような寒月の下で死にてぇじゃねえか」
煌々と輝く三日月を背にして不適に笑う竜。
その美しさを尊いものだと小十郎は思う。
「どこまでも、お供いたします」
命を懸けて守るべき人。
唯一の、主。
言うと、一瞬きょとんとした顔をしてから楽しそうに破顔した。
「It's natural!」
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更新はまったり遅いですが、徒然なるままに日記やら突発でSSやら書いていく所存ですのでどうぞヨロシク。
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