白鳥は 哀しからずや 空の青 海のあをにも 染まずただよふ
Sun 10 , 00:04:17
2011/07
このときをまっていた
追記より
・サナダテ
・50代くらい?
・明るくはないです
ちゃんと書きたいネタです。
追記より
・サナダテ
・50代くらい?
・明るくはないです
ちゃんと書きたいネタです。
久しいな。
先に笑ったのはどちらだったか。
馬上から姿を認め合った二人はいっそ無邪気ともいえる顔で笑い、友人のように挨拶を交わした。
「すっかりじいさんになっちまったな、あんた」
「そなたこそ。…ああ、だが、美しさは変わりませぬな」
「あんたは…どこで、そんな口説き文句覚えたんだよ」
「口説いてなど…本心にござる」
会うのはいつ以来か。
最後の記憶は、泣きそうな顔で微笑んだ姿と桜吹雪。何も言えずに別れたあの日。
もとより敵同士。ともに歩めるはずもなく、一瞬だけ交差し絡み合った二人の人生は、あの日を境にまた分かれていった。
もう二度と、あの日々のようにはともに過ごせない。
選んだのは自分自身。幸村も政宗も、すべてを捨てて恋に現を抜かせるほど器用にはなれなかった。
「会いたかった」
「…」
「思ってもせんないこととは知りながら、会いたいと思わないでは居られなかった」
「…Me too」
「…」
「俺もだ。…俺も、会いたかった」
泣きそうな笑顔はあの人同じ。
けれどあの人違うのは、泣き出しそうな二人はそれでもどこか幸福そうだった。
そして、静かに武器を構える。
「最後だ」
「はい」
「これで、仕舞いだ」
そうして互いに刃を向ける、それはまるで。
相対死(あいたいじに):相愛の二人が、この世で結ばれ得ぬ恋を来世に託し、死を選ぶこと。情死。心中。
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