白鳥は 哀しからずや 空の青 海のあをにも 染まずただよふ
Sun 05 , 23:28:18
2011/06
忙しいし時間がないのに不意に書きたくなったからなんとなく書いてみたオリジナル短文。
唐突に始まる上に、場面説明が不十分この上ない不親切な文章です。というか、書いた私自身ですらいまいちよくわかっていない。とにかく勢いだけで書くからこうなる。
でも、久しぶりに文章を書けた気がする。…って、こんなことしてるばやいじゃないんだってばー。
どうしようもないな。
嘆息交じりにあいつは言った。それを聞きながら、俺もこっそり嘆息した。
喧嘩をした。
それは珍しいことじゃない。馬はあうけれど考え方が違う俺たちは日常のように喧嘩をしていた。そして、呼吸をするように仲直りをして何事もなかったかのようにぶつかり合いながら同じ時間を共有してきた。
しかし、今回の喧嘩は趣が違う。
どちらも、悪くないのだ。
どちらも悪くない。それはわかっていても、どうしても互いに互いを許せない。
そんな、喧嘩だった。
相手を許せば自分を曲げることになる。自分を貫けば相手を否定することになる。
そのどちらも俺たちには耐え難い。
有耶無耶にして、何事もなかったかのようにこの喧嘩を流してしまえば俺たちは今までの俺たちではいられなくなる。だが、相手の主張を理解することができても自分の主張を曲げれないこの現状では、和解はできない。
部屋の隅と隅、背中を向け合って怒りを表現しながら全力で相手の様子を探っていることにお互い気づいている。
しん、と静まった部屋に時折こそりと響くため息が空気を更に重くしていりう気がする。
「…おい」
「…なに」
どれほどの時間がたったのか、しびれを切らしたのはほぼ同時だった。
部屋の隅と隅、今度は互いに視線を絡めてじっと目を覗き込む。
「探すぞ」
「…」
「妥協できなくて、妥協点を」
そう言って乱暴なしぐさで立ち上がったあいつは、どすどすと足音を立てて俺に近寄る。乱暴なようでその実、とても繊細に距離を測っていることを知っている。俺も仕方ない、というようなしぐさで立ち上がってあいつだけではつめられない距離をつめていく。
互いに足掛け5歩。手を伸ばせば触れられる距離まで近づいた俺たちは見えない壁があるようにそれ以上近づくことなく立ったまま互いをにらむように見つめた。
「事態は困難を極めている」
わざと芝居がかった言葉を使うのは、この事態をできるだけ客観的に分析しようとしていると同時にあいつが自棄になってきているからだ。俺はあいつとまったく同じ気分を味わっているから、その言葉を引き継いで芝居がかったしぐさで肩をすくめる。
「だがこの複雑な過程をクリアすることができたのなら、行き着く結論はいつだってひどく単純だろう」
「ああ、まったくそのとおりだ。我々の願望が一つである以上、我々がすべきことはその結論に行き着くための道を探すことのみだ」
「つまり、妥協できないこの話題で妥協点を探す、ひどく容易で困難なこの作業だ」
俺たちが求める真実はいつだってただひとつ。揺らがない命題は「共に在ること」。
共に在るために必要なものは何か。共に在るためにすべきことは何か。
結論はいつだって決まっている。
だから、そこに行き着くために俺たちは考える。その答えが見つかるまで、俺たちは傷つけあうことを恐れるハリネズミのように慎重に、距離をとって適正な居場所を探し続ける。
他人から見ればどれほど面倒な作業であろうと、これは俺たちには必要不可欠な手順だから。
唐突に始まる上に、場面説明が不十分この上ない不親切な文章です。というか、書いた私自身ですらいまいちよくわかっていない。とにかく勢いだけで書くからこうなる。
でも、久しぶりに文章を書けた気がする。…って、こんなことしてるばやいじゃないんだってばー。
どうしようもないな。
嘆息交じりにあいつは言った。それを聞きながら、俺もこっそり嘆息した。
喧嘩をした。
それは珍しいことじゃない。馬はあうけれど考え方が違う俺たちは日常のように喧嘩をしていた。そして、呼吸をするように仲直りをして何事もなかったかのようにぶつかり合いながら同じ時間を共有してきた。
しかし、今回の喧嘩は趣が違う。
どちらも、悪くないのだ。
どちらも悪くない。それはわかっていても、どうしても互いに互いを許せない。
そんな、喧嘩だった。
相手を許せば自分を曲げることになる。自分を貫けば相手を否定することになる。
そのどちらも俺たちには耐え難い。
有耶無耶にして、何事もなかったかのようにこの喧嘩を流してしまえば俺たちは今までの俺たちではいられなくなる。だが、相手の主張を理解することができても自分の主張を曲げれないこの現状では、和解はできない。
部屋の隅と隅、背中を向け合って怒りを表現しながら全力で相手の様子を探っていることにお互い気づいている。
しん、と静まった部屋に時折こそりと響くため息が空気を更に重くしていりう気がする。
「…おい」
「…なに」
どれほどの時間がたったのか、しびれを切らしたのはほぼ同時だった。
部屋の隅と隅、今度は互いに視線を絡めてじっと目を覗き込む。
「探すぞ」
「…」
「妥協できなくて、妥協点を」
そう言って乱暴なしぐさで立ち上がったあいつは、どすどすと足音を立てて俺に近寄る。乱暴なようでその実、とても繊細に距離を測っていることを知っている。俺も仕方ない、というようなしぐさで立ち上がってあいつだけではつめられない距離をつめていく。
互いに足掛け5歩。手を伸ばせば触れられる距離まで近づいた俺たちは見えない壁があるようにそれ以上近づくことなく立ったまま互いをにらむように見つめた。
「事態は困難を極めている」
わざと芝居がかった言葉を使うのは、この事態をできるだけ客観的に分析しようとしていると同時にあいつが自棄になってきているからだ。俺はあいつとまったく同じ気分を味わっているから、その言葉を引き継いで芝居がかったしぐさで肩をすくめる。
「だがこの複雑な過程をクリアすることができたのなら、行き着く結論はいつだってひどく単純だろう」
「ああ、まったくそのとおりだ。我々の願望が一つである以上、我々がすべきことはその結論に行き着くための道を探すことのみだ」
「つまり、妥協できないこの話題で妥協点を探す、ひどく容易で困難なこの作業だ」
俺たちが求める真実はいつだってただひとつ。揺らがない命題は「共に在ること」。
共に在るために必要なものは何か。共に在るためにすべきことは何か。
結論はいつだって決まっている。
だから、そこに行き着くために俺たちは考える。その答えが見つかるまで、俺たちは傷つけあうことを恐れるハリネズミのように慎重に、距離をとって適正な居場所を探し続ける。
他人から見ればどれほど面倒な作業であろうと、これは俺たちには必要不可欠な手順だから。
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