恋（サスダテ 現代 転生）

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オッケーな方は続きからどうぞ

傷つけあうことしかできない不器用な恋だったね。
もしも次があるのなら、もっと上手に恋をしたい。
もっと優しい恋を、君としたい。

「ねえ、政宗…」
選んであげられなくて、ごめん。それでも、本当に、愛していたよ。




時は流れ、季節は巡り、時代は移ろい。
二人の分かれたあのときから幾度目かの春。

「新入生代表、伊達政宗」

退屈な高校の入学式。
欠伸をそっとかみ殺して居眠りしようとまぶたを閉じたその瞬間。

耳にしたのは愛しい人の名前。
俺が選ぶことのできなかった、それでも最愛の人の名前。

「はい」

耳に心地よい、低いながらも涼やかな声。
傷つけて、傷つけられて。
それでもどうしようもなく求めた人。
選ぶことなどできないとわかっていながらも愛することも求めることもあきらめられなかった人。

（見つけた）

ずっと探していた。生まれ変わってもずっと愛していた。
君が覚えていようとなかろうと、俺はずっと愛していた。

真新しい制服に身を包み、壇上で挨拶をするつややかな黒髪のしなやかな少年をじっと見詰める。
目が合う。
彼が驚いたように目を見開く。
俺は笑った。

（傷つけあうだけの恋はもう終わり。そして、今度こそ）
今度こそ、優しい恋をしよう。