ついでに

先日、久しぶりに無印バサラやって、政宗様で天下統一を成し遂げました。
そしてエンディングの寂しい背中を見て萌えた結果の産物を投下しておきます。


・無印bsr、政宗ストーリーEDの際の彼の心情を捏造
・Noカップリング
・シリアス
・伊達独白
・政宗の家族に関する史実交じり

多くのものをうしなった。

天下。

目に見えるようで見えぬ。
形あるようで形のない。
つかめそうでつかめない。
そんな二人かなそれのためにどれほどのものを失っただろう。
どれほどの、物を。者を。モノを。

最後に勝ったのが己であるのなら、俺には責がある。
敵も味方も、この天下のために失われた夥しい数の命をこの背に負わなければならない。重すぎるそれは、けれど決して捨てられない、忘れてはいけないもの。
後悔などしない。それは彼らへの侮辱。

ただ進む。俺が、そしてきっと彼らが望んだ戦なき世のために。失われた命、それを愛する人たち、数知れぬ悲しみと涙。
それらを超える笑顔と喜びを俺は与えなければならない。戦乱を生き抜いてよかったと、生きていてよかったと思えるような幸福を彼らに教えなければならない。

きっと俺は幾夜も屠った命を夢に見ては魘されるのだろう。父を撃ち、弟を斬り捨てた日を未だ忘れきれぬように。母に手を振り払われた痛みの癒えぬように。
生涯背負い、生涯忘れぬ。
そして生涯をかけて俺は守る。
多くの血と涙、数え切れぬほどの屍と絶望の上にあるこの天下。
たとえ最後にはひとりきりになったとしても。
この疲弊した戦乱の末に希望があるのだということを皆に伝えるため。

俺は、この道を逝く。