白鳥は 哀しからずや 空の青 海のあをにも 染まずただよふ
Wed 20 , 23:56:30
2010/01
レポートやら試験やらで憂鬱な静ですこんばんは。更新…来月以降になってしまうやもしれません。う~、もういやだ…。
などと近頃愚痴日記になりつつあるのでこの状況を打開してみようかと。
久しぶりにサナダテ、書いて見ました。よろしければ追記からどうぞ。甘いだけの現代サナダテです。
などと近頃愚痴日記になりつつあるのでこの状況を打開してみようかと。
久しぶりにサナダテ、書いて見ました。よろしければ追記からどうぞ。甘いだけの現代サナダテです。
・現代
・サナダテ
・甘いだけの話
・政宗のほうが二歳年上な設定ですが、このお話では幸村のほうが精神的に大人な気がします。
暑いのも寒いのも大嫌い。暑がりで寒がり。夏は冷房のきいた室内、冬は暖房のきいた室内。暑いのに、寒いのに、外にでるなんてそんな馬鹿なこと!
政宗は典型的な現代っ子である。
幼い頃は身体が弱く、季節の変わり目には必ずといっていいほどに熱をだしていたので心配した父親や傅役やその他大勢が、政宗が少しでも快適に過ごせるように、と気を使い続けてきた結果ともいえる。
成長した今となっては幼い頃に病弱だったのが嘘のように体力もつき、熱をだすこともめったになくなったのだが、空調のきいた部屋で大事に育てられてきた結果なのか、政宗は暑さにも弱さにも驚くほど弱かった。
そして今、季節は冬。
政宗は初めて、冬の寒さを楽しむことができていた。
幸村のそう大きくないベッドの上、二人は密着していた。さらにくわしく言えば、政宗はぎゅぅと幸村にしがみつき、幸村はそんな政宗との間に一部の隙もないようにきつく抱きしめている、といったところだ。
「ゆき、もっと、こっち。ぎゅってしろ」
「はい、政宗殿」
普段は素直に甘えてくれない政宗が、かわいいわがままを言ってぎゅうぎゅうしがみついてくるのがかわいくて仕方がない。幸村はでれでれと顔を笑み崩しながら政宗に言われるまま、さらにきつく政宗を抱きしめる。
「これでよろしいですか?」
「ん、…あったかい」
暖房のついていない部屋は寒いし、布団も政宗が普段使っているものに比べれば暖かくない。だが、体温の高い幸村が包み込むように政宗を抱きしめてくれているから、暖かい部屋で高級な羽毛布団に包まれて眠るよりもよっぽどあったかい。いや、幸村の体温など関係ないのかもしれない。好きで好きでたまらない恋人とこれだけ密着していれば胸は高鳴るし思わず頬なんかが熱くなるのも当然のことなのかもしれない。
「…ぉやすみ………」
暖かさにうとうとしだした政宗が常の鋭さのない、幼く甘い声で小さくつぶやいたことばに、幸村も小さく微笑む。ぐりぐりとこめかみを押し付けるように幸村の肩口に頭を埋める仕草が愛しくてたまらない。
「はい、おやすみなさい、政宗殿。…よい、夢を」
ちゅ、と軽い音と共に額に口付けてやれば、それを合図としたかのように政宗のまぶたは完全に折りきってしまい、程なくスースーと穏やかな寝息が聞こえる。
幸村よりも二つ年上の恋人は、普段は鋭い眼差しの凛とした青年なのだが、二人きりのときには気まぐれな猫のようにすりより、時には頑是無い幼子のように無邪気に甘えてくれる。幸村の名も「幸村」ではなく「ゆき」と呼び、日ごろのポーカーフェイスも崩れて幸村に負けないくらいくるくるとよく表情を変え、よく笑う。そんなときに、幸村はどうしようもないほどの幸福を感じるのだ。一目ぼれして不器用ながらも懸命に口説いて、ようやく手に入れた掌中の魂とでもいうべき大切な恋人。
(ああ、なんといとおしい)
そんな恋人がこの腕の中で無邪気で無防備な寝顔を見せてくれるのが嬉しい。本人に言ったら怒るけれど、かわいくてしかたない。
ただ、一つ。
贅沢な悩みであることなど先刻承知なのだが、一つだけ。一つだけ問題があるとすれば、いとしくてたまらない恋人と一つベッドにいるというのに、あまりにも無邪気すぎて手を出すのにためらってしまうこと。
二人はもちろん遠の昔に一線を越えていくところまでいっている。だからこそ。だからこそ、政宗のあんな姿やこんな表情を思い出してしまって、幸村は熱が溜まるのを抑えきれない。けれど、安心しきった表情で眠る恋人を起こして自分の欲につき合わせるには忍びなくて。
幸村は欲を吐き出すように大きなため息をついて、なんと幸福な悩みだと苦悩するのだった。
・サナダテ
・甘いだけの話
・政宗のほうが二歳年上な設定ですが、このお話では幸村のほうが精神的に大人な気がします。
暑いのも寒いのも大嫌い。暑がりで寒がり。夏は冷房のきいた室内、冬は暖房のきいた室内。暑いのに、寒いのに、外にでるなんてそんな馬鹿なこと!
政宗は典型的な現代っ子である。
幼い頃は身体が弱く、季節の変わり目には必ずといっていいほどに熱をだしていたので心配した父親や傅役やその他大勢が、政宗が少しでも快適に過ごせるように、と気を使い続けてきた結果ともいえる。
成長した今となっては幼い頃に病弱だったのが嘘のように体力もつき、熱をだすこともめったになくなったのだが、空調のきいた部屋で大事に育てられてきた結果なのか、政宗は暑さにも弱さにも驚くほど弱かった。
そして今、季節は冬。
政宗は初めて、冬の寒さを楽しむことができていた。
幸村のそう大きくないベッドの上、二人は密着していた。さらにくわしく言えば、政宗はぎゅぅと幸村にしがみつき、幸村はそんな政宗との間に一部の隙もないようにきつく抱きしめている、といったところだ。
「ゆき、もっと、こっち。ぎゅってしろ」
「はい、政宗殿」
普段は素直に甘えてくれない政宗が、かわいいわがままを言ってぎゅうぎゅうしがみついてくるのがかわいくて仕方がない。幸村はでれでれと顔を笑み崩しながら政宗に言われるまま、さらにきつく政宗を抱きしめる。
「これでよろしいですか?」
「ん、…あったかい」
暖房のついていない部屋は寒いし、布団も政宗が普段使っているものに比べれば暖かくない。だが、体温の高い幸村が包み込むように政宗を抱きしめてくれているから、暖かい部屋で高級な羽毛布団に包まれて眠るよりもよっぽどあったかい。いや、幸村の体温など関係ないのかもしれない。好きで好きでたまらない恋人とこれだけ密着していれば胸は高鳴るし思わず頬なんかが熱くなるのも当然のことなのかもしれない。
「…ぉやすみ………」
暖かさにうとうとしだした政宗が常の鋭さのない、幼く甘い声で小さくつぶやいたことばに、幸村も小さく微笑む。ぐりぐりとこめかみを押し付けるように幸村の肩口に頭を埋める仕草が愛しくてたまらない。
「はい、おやすみなさい、政宗殿。…よい、夢を」
ちゅ、と軽い音と共に額に口付けてやれば、それを合図としたかのように政宗のまぶたは完全に折りきってしまい、程なくスースーと穏やかな寝息が聞こえる。
幸村よりも二つ年上の恋人は、普段は鋭い眼差しの凛とした青年なのだが、二人きりのときには気まぐれな猫のようにすりより、時には頑是無い幼子のように無邪気に甘えてくれる。幸村の名も「幸村」ではなく「ゆき」と呼び、日ごろのポーカーフェイスも崩れて幸村に負けないくらいくるくるとよく表情を変え、よく笑う。そんなときに、幸村はどうしようもないほどの幸福を感じるのだ。一目ぼれして不器用ながらも懸命に口説いて、ようやく手に入れた掌中の魂とでもいうべき大切な恋人。
(ああ、なんといとおしい)
そんな恋人がこの腕の中で無邪気で無防備な寝顔を見せてくれるのが嬉しい。本人に言ったら怒るけれど、かわいくてしかたない。
ただ、一つ。
贅沢な悩みであることなど先刻承知なのだが、一つだけ。一つだけ問題があるとすれば、いとしくてたまらない恋人と一つベッドにいるというのに、あまりにも無邪気すぎて手を出すのにためらってしまうこと。
二人はもちろん遠の昔に一線を越えていくところまでいっている。だからこそ。だからこそ、政宗のあんな姿やこんな表情を思い出してしまって、幸村は熱が溜まるのを抑えきれない。けれど、安心しきった表情で眠る恋人を起こして自分の欲につき合わせるには忍びなくて。
幸村は欲を吐き出すように大きなため息をついて、なんと幸福な悩みだと苦悩するのだった。
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