白鳥は 哀しからずや 空の青 海のあをにも 染まずただよふ
Fri 17 , 22:56:00
2007/08
日本史のオベンキョウをしてて、いろいろ思ったんで書いてみます。…こうやって考えると勉強というよりも趣味に近いんですけどねー。
平家は武士のくせして貴族的過ぎる。
源氏は一族内での紛争が多すぎる。で、『そして誰もいなくなった』(by アガサ・クリスティー)な展開です。
北条氏は、なんか漁夫の利的なイメージ。とりあえず、みんな名前が似てるんでキライです。
足利さんは、なんていうか…あんまりかっこいいイメージがないんで好きじゃない。最後のほうとか、将軍の存在感ないし。
徳川さんはなぁ…。織田信長が好きなので、竹千代が人質時代に若かりし日の信長に憧れてたらいいな、というドリームは抱いております。長く続いた幕府だけど、やっぱりみんな名前が似てるのがうっとうしいです。
で、話はだいぶ変わりますが、今日のテーマは「源氏の男と彼等を愛した女」。偏見と妄想たっぷりで、思い切り趣味に偏っております。
私は、源義仲(木曽義仲とも)と巴御前の関係が、すごく好きなんです。
義仲の正妻ではなかったけれど、最初から最後までずっと一緒に戦場を駆けた人です。巴御前。幼馴染で恋人で、兄妹のようでもあったでしょう。
山深い木曽で育った義仲は、乱暴でがさつで、京の人々には受け入れられませんでした。でも、木曽で共に育った仲間たちは、最後まで義仲を裏切らなかった。特に、巴御前と今井四郎兼平(巴御前の兄ですね)は、本当に、義仲のことを心から慕っていたと思うんです。源氏の血筋の人だから、というわけではなく「木曽義仲」という人を、心から愛していたと思うんです。
だって、巴御前は女の人ですが最後の戦いまでずっと、義仲の隣で戦っていた。兼平は、義仲が討ち取られたときに「ああ、もう守るべき人もいなくなった」って躊躇いなく、刀を口に含んで自害するんです。
義仲の父親は、頼朝の兄によって殺されています。義仲は、頼朝の命をうけた義経たちに討たれました。同じ血をもつ者たちは彼を傷つけてきました。でも、木曽で共に育った彼等は決して義仲を傷つけなかった。それだけは、きっと確かでしょう。
ずっと義仲の隣で戦っていた巴御前は最後の最後に「おまえは女なのだから、どこへでも逃げてゆけ」と言われてしまいます。巴御前がいやがっても義仲の決意は固く、決して言を翻そうとはしません。そして、巴御前は「最後の働きを」と、敵の首をひとつ落として、鎧を脱ぎ捨てて戦場を去っていきます。共に死にたいと願うのが愛ならば、生きていてほしいと願うのも愛です。でも、ずっと一緒に生きてきたのに最後の最後に男と女と言う理由で拒まれた巴御前は、きっと悔しくて悔しくて悔しくて、それでもやっぱり義仲が愛しくて、義仲の気持ちもわかるから憎むことも怨むこともできなくて、忘れることもできなかったと思います。
源義経は、人気がありますよね。悲劇のヒーローって感じで。しかも、美形だったとか。いや、不細工だったという説もありますし、真相は定かではないんですが。
彼にも、武蔵坊弁慶と静御前がいた。弁慶は、本当に最後の時まで、義経を守り続けます。義経が自害するためにこもった寺の前に立ちふさがり、一人で追っ手を引き受け、義経が静かに自害できるように守り続けます。矢を何本もその身に受けて、それでも決して倒れることなく追っ手の前に立ちふさがり続けました。
静御前も、彼女は戦場に立つことはありませんでしたが、義経が頼朝に追われる身になっても変わらずに彼を一心に慕い続けます。白拍子は、権力者に取り入って寵を受け、そして安定を得るのが慣例のその時代に、落ち目になって明日の命も知れない義経を思い続けた静御前。逃げ延びる途中で、彼女は追い返されてしまいます。要は「女は足手まといだから」ってことなんですよね。でも、義経は確かに静御前を愛していたと思いたいです。
だって、静御前は義経のことを本当に、愛していたから。
静御前は頼朝の手のものにつかまり、捕らえられます。失意に嘆き悲しむ静御前に、頼朝は鶴岡八幡宮に舞を納めよと要求し、彼女はそれを受けます。
そして、頼朝の目の前で義経を慕う歌を堂々と歌い、舞った。
吉野山 峰の白雪 踏み分けて いりにし人の あとぞ恋しき
しづやしづ しづの苧環 繰り返し 昔を今に なすよしもがな
当然のように頼朝は激怒しますが、政子がとりなし、事なきを得ます。
が、その数ヶ月後に静御前は義経の子を産みます。その子は、男であったがゆえに、生まれてすぐにとりあげられ、由比ガ浜へ沈められました。
源頼朝は、正直あんまり好きじゃない。
だって、平家滅亡に関してこの人って全然何もしてないじゃん。実際、義仲と義経がいなかったら平家をつぶせなかったと思います。でも、源氏の棟梁だからね。血筋がものを言う。
なーんて、ぼろくそに書いていますが、それでも清盛の異母弟を助けたりしてます。彼の母親・池ノ禅尼に、命を助けられたから。だから、その恩を忘れずに、その子・平頼盛を助けた。だから、平氏滅亡…とはいうものの、清盛の弟…だから、血筋を見れば平家のエリートである彼はその後も生き続け、彼の子孫は未だ健在です。
頼朝の最大の幸運は、政子がいたことだとは思いますが、彼女は嫉妬深い女性だったらしいので、男としてはありがたくないでしょうね。
ま、彼女がいなければ頼朝は征夷大将軍になれなかっただろうと思っております。
でも、政子本人はどうなんでしょうね。頼朝のことが本当に好きで、駆け落ち同然に結婚して、子どもを生んで。幸せだったのは、ここまでかもしれない。だって、彼女の子どもたちは、悉く彼女よりも先に死んでしまうから。政子の父である北条時政が長男の頼家とその長子の一幡を殺したし、次男の実朝は頼家の二子である公暁に殺される。政子はきっと、気の強い人だっただろうと思います。でも、これはひどすぎる。愛した者たちを次々に見送った彼女は、何を想ったのでしょうか。
今挙げた源氏の男たちは、愛した女をおいて逝ってしまいます。残された女は、みなその後も長く生きました。
それは、きっと自分のためではなく、愛した男のためであったのだろうと思います。
平家は武士のくせして貴族的過ぎる。
源氏は一族内での紛争が多すぎる。で、『そして誰もいなくなった』(by アガサ・クリスティー)な展開です。
北条氏は、なんか漁夫の利的なイメージ。とりあえず、みんな名前が似てるんでキライです。
足利さんは、なんていうか…あんまりかっこいいイメージがないんで好きじゃない。最後のほうとか、将軍の存在感ないし。
徳川さんはなぁ…。織田信長が好きなので、竹千代が人質時代に若かりし日の信長に憧れてたらいいな、というドリームは抱いております。長く続いた幕府だけど、やっぱりみんな名前が似てるのがうっとうしいです。
で、話はだいぶ変わりますが、今日のテーマは「源氏の男と彼等を愛した女」。偏見と妄想たっぷりで、思い切り趣味に偏っております。
私は、源義仲(木曽義仲とも)と巴御前の関係が、すごく好きなんです。
義仲の正妻ではなかったけれど、最初から最後までずっと一緒に戦場を駆けた人です。巴御前。幼馴染で恋人で、兄妹のようでもあったでしょう。
山深い木曽で育った義仲は、乱暴でがさつで、京の人々には受け入れられませんでした。でも、木曽で共に育った仲間たちは、最後まで義仲を裏切らなかった。特に、巴御前と今井四郎兼平(巴御前の兄ですね)は、本当に、義仲のことを心から慕っていたと思うんです。源氏の血筋の人だから、というわけではなく「木曽義仲」という人を、心から愛していたと思うんです。
だって、巴御前は女の人ですが最後の戦いまでずっと、義仲の隣で戦っていた。兼平は、義仲が討ち取られたときに「ああ、もう守るべき人もいなくなった」って躊躇いなく、刀を口に含んで自害するんです。
義仲の父親は、頼朝の兄によって殺されています。義仲は、頼朝の命をうけた義経たちに討たれました。同じ血をもつ者たちは彼を傷つけてきました。でも、木曽で共に育った彼等は決して義仲を傷つけなかった。それだけは、きっと確かでしょう。
ずっと義仲の隣で戦っていた巴御前は最後の最後に「おまえは女なのだから、どこへでも逃げてゆけ」と言われてしまいます。巴御前がいやがっても義仲の決意は固く、決して言を翻そうとはしません。そして、巴御前は「最後の働きを」と、敵の首をひとつ落として、鎧を脱ぎ捨てて戦場を去っていきます。共に死にたいと願うのが愛ならば、生きていてほしいと願うのも愛です。でも、ずっと一緒に生きてきたのに最後の最後に男と女と言う理由で拒まれた巴御前は、きっと悔しくて悔しくて悔しくて、それでもやっぱり義仲が愛しくて、義仲の気持ちもわかるから憎むことも怨むこともできなくて、忘れることもできなかったと思います。
源義経は、人気がありますよね。悲劇のヒーローって感じで。しかも、美形だったとか。いや、不細工だったという説もありますし、真相は定かではないんですが。
彼にも、武蔵坊弁慶と静御前がいた。弁慶は、本当に最後の時まで、義経を守り続けます。義経が自害するためにこもった寺の前に立ちふさがり、一人で追っ手を引き受け、義経が静かに自害できるように守り続けます。矢を何本もその身に受けて、それでも決して倒れることなく追っ手の前に立ちふさがり続けました。
静御前も、彼女は戦場に立つことはありませんでしたが、義経が頼朝に追われる身になっても変わらずに彼を一心に慕い続けます。白拍子は、権力者に取り入って寵を受け、そして安定を得るのが慣例のその時代に、落ち目になって明日の命も知れない義経を思い続けた静御前。逃げ延びる途中で、彼女は追い返されてしまいます。要は「女は足手まといだから」ってことなんですよね。でも、義経は確かに静御前を愛していたと思いたいです。
だって、静御前は義経のことを本当に、愛していたから。
静御前は頼朝の手のものにつかまり、捕らえられます。失意に嘆き悲しむ静御前に、頼朝は鶴岡八幡宮に舞を納めよと要求し、彼女はそれを受けます。
そして、頼朝の目の前で義経を慕う歌を堂々と歌い、舞った。
吉野山 峰の白雪 踏み分けて いりにし人の あとぞ恋しき
しづやしづ しづの苧環 繰り返し 昔を今に なすよしもがな
当然のように頼朝は激怒しますが、政子がとりなし、事なきを得ます。
が、その数ヶ月後に静御前は義経の子を産みます。その子は、男であったがゆえに、生まれてすぐにとりあげられ、由比ガ浜へ沈められました。
源頼朝は、正直あんまり好きじゃない。
だって、平家滅亡に関してこの人って全然何もしてないじゃん。実際、義仲と義経がいなかったら平家をつぶせなかったと思います。でも、源氏の棟梁だからね。血筋がものを言う。
なーんて、ぼろくそに書いていますが、それでも清盛の異母弟を助けたりしてます。彼の母親・池ノ禅尼に、命を助けられたから。だから、その恩を忘れずに、その子・平頼盛を助けた。だから、平氏滅亡…とはいうものの、清盛の弟…だから、血筋を見れば平家のエリートである彼はその後も生き続け、彼の子孫は未だ健在です。
頼朝の最大の幸運は、政子がいたことだとは思いますが、彼女は嫉妬深い女性だったらしいので、男としてはありがたくないでしょうね。
ま、彼女がいなければ頼朝は征夷大将軍になれなかっただろうと思っております。
でも、政子本人はどうなんでしょうね。頼朝のことが本当に好きで、駆け落ち同然に結婚して、子どもを生んで。幸せだったのは、ここまでかもしれない。だって、彼女の子どもたちは、悉く彼女よりも先に死んでしまうから。政子の父である北条時政が長男の頼家とその長子の一幡を殺したし、次男の実朝は頼家の二子である公暁に殺される。政子はきっと、気の強い人だっただろうと思います。でも、これはひどすぎる。愛した者たちを次々に見送った彼女は、何を想ったのでしょうか。
今挙げた源氏の男たちは、愛した女をおいて逝ってしまいます。残された女は、みなその後も長く生きました。
それは、きっと自分のためではなく、愛した男のためであったのだろうと思います。
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