白鳥は 哀しからずや 空の青 海のあをにも 染まずただよふ
Fri 31 , 23:18:33
2007/08
きっと、シカマルはあたしを恋愛感情で好きなわけではない。
でも、それでもかまわないと私が思っているから。
だから、あたしたちは夫婦になったのだ。
「ねえ、あんたはそれでいいの?」
「何で?」
「だって…それで、あんたは幸せなの?」
話の流れでそれを口にしたとき、サクラは少しだけ泣きそうな顔でそう言った。
「幸せよ」
「…」
「どうしてそんなことを思うの?」
「どうしてって…」
わかってる。
きっと、サクラの方が正しいのだ。でも、正しいことがいつも正しいとは限らないだけ。
「サクラは…今、幸せなのね」
「え…」
「サスケ君のことを愛していて、サスケ君に愛されて、幸せなのね」
「…そうね。だから、あんたたちのことが気になるのかもしれない」
サクラが、複雑そうに眉を寄せた。なんて言えばいいのか考えているのだろう。
「いのは…いいの?」
「よくないわよ」
「…」
「でも、これでいいの。そりゃあね、愛したらその分愛し返してほしいけど、ムリだもの」
「どうして…」
「ねえ、サクラ。あんた、あの雲を捕まえる方法を知ってる?知らないでしょ。それと同じことなのよ。捕まえようとしても手が届かない。もし、手が届いたとしても、きっとあれはあたしたちの手から…握り締めた指の隙間から、逃れていくような不確かなものなの」
言いながら、自分でも驚いていた。
今まで考えても考えてもわからなかったことが、言葉にすることでストン、と胸の中に落ちてくる。
「手を伸ばしても届かない代わりに、見上げればいつでもそこにあるし、時には強い日差しから守ってくれたりもするの。それに、あれは…誰のものにもならないでしょ?」
「だから…いいの?」
「ええ。だって、…きっと、シカマルはもう誰かを本気で愛することはないもの」
「え?」
「これから先もきっと、生きている人の中であたしのことを一番に想ってくれるわ。だって、そういうヤツだもの。だから、あたしも安心してシカマルを好きでいることができるの」
「…生きている人の中では?」
「そうよ。シカマルが…すべての人の中で、一番に想う人は、別にいるの。それでもかまわない。あたしも、その人のことがすごく好きだったし、それに…今、生きてシカマルのそばにいるのはあたしだもの。ねえ、それってすごいことでしょ」
「…そうね」
サクラは釈然としない顔で、それでも少しだけすっきりした顔で部屋を出て行った。
部屋に一人残ったあたしは、思い出す。
シカマルが、心から幸せそうに笑っていた日のことを。
でも、それでもかまわないと私が思っているから。
だから、あたしたちは夫婦になったのだ。
「ねえ、あんたはそれでいいの?」
「何で?」
「だって…それで、あんたは幸せなの?」
話の流れでそれを口にしたとき、サクラは少しだけ泣きそうな顔でそう言った。
「幸せよ」
「…」
「どうしてそんなことを思うの?」
「どうしてって…」
わかってる。
きっと、サクラの方が正しいのだ。でも、正しいことがいつも正しいとは限らないだけ。
「サクラは…今、幸せなのね」
「え…」
「サスケ君のことを愛していて、サスケ君に愛されて、幸せなのね」
「…そうね。だから、あんたたちのことが気になるのかもしれない」
サクラが、複雑そうに眉を寄せた。なんて言えばいいのか考えているのだろう。
「いのは…いいの?」
「よくないわよ」
「…」
「でも、これでいいの。そりゃあね、愛したらその分愛し返してほしいけど、ムリだもの」
「どうして…」
「ねえ、サクラ。あんた、あの雲を捕まえる方法を知ってる?知らないでしょ。それと同じことなのよ。捕まえようとしても手が届かない。もし、手が届いたとしても、きっとあれはあたしたちの手から…握り締めた指の隙間から、逃れていくような不確かなものなの」
言いながら、自分でも驚いていた。
今まで考えても考えてもわからなかったことが、言葉にすることでストン、と胸の中に落ちてくる。
「手を伸ばしても届かない代わりに、見上げればいつでもそこにあるし、時には強い日差しから守ってくれたりもするの。それに、あれは…誰のものにもならないでしょ?」
「だから…いいの?」
「ええ。だって、…きっと、シカマルはもう誰かを本気で愛することはないもの」
「え?」
「これから先もきっと、生きている人の中であたしのことを一番に想ってくれるわ。だって、そういうヤツだもの。だから、あたしも安心してシカマルを好きでいることができるの」
「…生きている人の中では?」
「そうよ。シカマルが…すべての人の中で、一番に想う人は、別にいるの。それでもかまわない。あたしも、その人のことがすごく好きだったし、それに…今、生きてシカマルのそばにいるのはあたしだもの。ねえ、それってすごいことでしょ」
「…そうね」
サクラは釈然としない顔で、それでも少しだけすっきりした顔で部屋を出て行った。
部屋に一人残ったあたしは、思い出す。
シカマルが、心から幸せそうに笑っていた日のことを。
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