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白鳥は 哀しからずや 空の青 海のあをにも 染まずただよふ
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Mon 03 , 14:56:50
2007/09
シカマルがあたしたちと一緒にいる時間が減った。
その代わりに、アスマ先生と一緒にいる。

「…ねぇ」
あたしとチョウジは、二人だった。
いつもならシカマルも一緒にいて、三人で何をするでもなくだらだらと一日を過ごしていたのに。なのに、シカマルはここにいない。今日もアスマ先生のところにいってしまった。
「ん?どうしたの、いの」
珍しくお菓子を食べていないチョウジが、あたしのほうを見て優しく笑いかけた。
「シカマル…来ないね」
「うん。アスマ先生と約束してるって言ってたからね」
「うん…。でも、ねえ、チョウジ」
「何?」
「寂しくない?いつも一緒にいたのに」
「寂しくないって言ったら嘘だけど、でも、いいよ」
「どうして?」
「シカマルが、嬉しそうだったから」
「…」

いつもシカマルがそうしていたように、空を眺める。
白い雲がぽつんと浮かんでいるだけの光景は、すぐに飽きてしまった。
(つまんない)
いつもなら心安らぐ大好きな時間なのに、なんだか今日はとても空虚な時間に思えた。
(あたし、何やってるんだろ)

「いのは…」
帰ろうか、と考えているときに不意に声をかけられてびっくりした。
「え?」
「いのは、シカマルのことがすきなんだね」
チョウジは、いつものように優しい笑みを浮かべている。
「そりゃ…好きよ。だって、大切な幼馴染じゃないの」
「そうだね」
「もちろん、チョウジのことも好きだし大切よ?」
「うん。ボクも、いのとシカマルのことが大好きだし、大切だよ。心からね」
「知ってるわ」
「でもね、いの。ボクが今言いたいのは、そういう意味じゃなくって…」
「?」
チョウジが何を言いたいのか、わからなかった。
でも、チョウジは他人の機微に聡いから、もしかしたらあたしには見えていない何かも見えているのかもしれない、と思った。
でも、それを知りたくないとも、心のどこかで思った。

「ねえ、いの。シカマルに幸せになってほしい?」
「もちろん」
「じゃあ、どうしてシカマルに特別な人ができたのに嬉しそうじゃないの?」
「あ…。…わかんない。どうしてかしら」
「シカマルのこと、好き?」
「ええ」
「アスマ先生のこと、好き?」
「ええ」
「じゃあ、二人が一緒にいるのは?」
「…多分、好きじゃない」
チョウジの問いに誘導されるようにたどり着いてしまったこたえに、愕然とした。

「あたし、嫉妬してるの?」
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更新はまったり遅いですが、徒然なるままに日記やら突発でSSやら書いていく所存ですのでどうぞヨロシク。
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