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白鳥は 哀しからずや 空の青 海のあをにも 染まずただよふ
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Thu 06 , 01:29:27
2007/09
「ねえ、シカマルとアスマ先生って、いつも二人で何してるの?」

好奇心と嫉妬心から、あたしは聞かずにはいられなかった。
「は?」
アスマ先生は、任務完了の書類を提出しにいっていて、このあとアスマ先生のところに行くのだというシカマルは、いつものように雲を眺めていた。
チョウジは父親と約束がある、ということで先に帰ってしまい、今は二人きりだった。ちょっと前までは意識したこともなかったけれど、想いを自覚した今はすごくドキドキして困る。

「何って…まあ、色々」
「色々って、何?」
「特に、何もしねぇけど…。昼寝したり、巻物見せてもらったり、日向ぼっこしたり…ああ、最近は将棋やるな」
「将棋?」

シカマルが、思い出したのか楽しそうに頬を緩める。
柔らかい表情。
今、シカマルと話してるのはあたしなのに、この表情を作ったのはあたしじゃなくてアスマ先生なんだ。
悔しい。
嫉妬心に胸がツキンと痛む。

「楽しいの?」
「まあな」
「どの辺が?」
「どの辺って…勝てるし」
「そうなの?」
「一度も負けたことねぇよ」
自慢げな響きに思わず苦笑する。
めんどくさがりだし、別に勝ちにこだわるタイプでもないけど、それでもやっぱり勝てるのは嬉しいのだろう。年相応な無邪気な顔。

「アスマ先生、弱いの?」
「さあ?他の人とやったことねぇからわかんねぇけど…別に、弱くはないんじゃねぇか?」
「じゃ、シカマルが強いんだ」
「アスマよりはな」
「自分よりも弱い人とやってて、楽しいものなの?」
「楽しくないだろうな、普通は。でも…将棋だと、オレとアスマで対等にやれるし、オレが勝てるし…。あいつ、何回負けても懲りずに『もう一回』って挑んでくるんだぜ」

(聞かなければよかった)
こんなに嬉しそうにアスマ先生との時間を語るシカマルをみたくない。
そう思うと同時に、自己嫌悪に陥った。
どれだけわがままで、心が狭くて、バカなんだろう、あたしは。
どうして、こんなに。

「でも…そうだな、一番の理由は…アスマとやるから楽しいんだろうな、きっと。多分、オレがすきなのは“将棋”じゃなくて、“アスマとやる将棋”なんだろう。アスマがもっと将棋が弱くて、たとえば相手にならないほどに弱かったとしても、オレはきっとアスマ以外の相手と将棋をやろうとは思わないだろうな」

どうして、そんなにキレイに笑うの。

「アスマのそばは、居心地がいいから」

ああ、本当に。
聞かなければよかった。
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