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白鳥は 哀しからずや 空の青 海のあをにも 染まずただよふ
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Tue 25 , 00:53:38
2007/09
どう考えても、恋する相手を間違えている。

どうして、俺はこの忍に惚れてしまったのだろう。
どうして、俺様は独眼竜の旦那に恋してしまったのだろう。

言葉にすることすら許されないような、相手に。



「ほんと、最悪な組み合わせだよねー」
「全くだ」

情事のあとのけだるい身体を沿わせる、ほんのひと時の間に、俺たちはため息をついた。

ああ、もうすぐに起き上がって帰らなくちゃ。
俺は、忍なんだから。

さっさと身を清めて、床について。明日も政をしなくては。
俺は、殿様なんだから。

「せめて、さ」
「Ah~?」

忍がそっと身体を起こす。
離れる温もりが寂しい、だなんて。
そんなのお互い様。
言わなくたって、知ってる。
言ってはいけないって、知ってる。

「あんたと片倉の旦那で、俺と真田の旦那っていう組み合わせだったら、マシだったよね」
「まあな。俺と真田で、おまえと小十郎っつーのもまだ今よりはマシだと思うがな」

閨でのこんな軽口でさえ、胸を締め付けるほどにいとおしいけれど、それでもこんなひと時でさえ、許されるはずのない関係。

敵同士で、それだけでもしんどいっていうのに、殿様と忍?

「お芝居にもないよね、こんなの」
「もともと、男同士なら芝居にならねえだろうが」
「まあね」

くす、と笑って忍が闇に溶ける。
気配に聡い独眼竜はそれでも忍がどこにいるのかわかるのだけれど。

「じゃあね」
「ああ」

見送ることなんてしない。
何もなかったかのように、二人、知らん顔。
敵方の大将に入れ込む忍なんて、冗談じゃない。
敵方の忍に惚れてしまった大将だなんて、冗談じゃない。

誰も知らない、誰にも知られてはいけない関係。

痛みがじわじわと胸を焼くけれど。

(でも、幸せ…かもしれないな)
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