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白鳥は 哀しからずや 空の青 海のあをにも 染まずただよふ
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Mon 24 , 22:51:33
2007/09
その一(サナダテ?)

恋をしていた。
否、あまりにも強すぎるこの思いは恋と呼ぶには適さないかもしれない。
だが、オレはこの思いを恋だと思っているから、これは恋なのだ。

強く求めていた。
強く惹かれていた。
その存在を、ただただ欲していた。

だが、いくら“オレ”という人物がそれを望んでも、互いの立場が共に在ることを許さないから。

だから、せめて、出会ったときのようにオレたちは戦場で華を咲かせる。
緋色の、華を。





その二(?)

好きだと言えばよかった。
愛していると伝えればよかった。

大切だから、守りたくて。
大事だから、傷つけたくなくて。

手を伸ばせば、壊してしまうのだと思っていた。
触れなければ、失わないのだと信じていた。

なんて、愚かだったのか。
どれだけ悔いたところですべては過ぎたことでしかないのだ。




その三(シカテマ?)


「今、死ねたら幸せだと思わないか?」
高い高い崖の上から下を覗き込んだ。
ここから落ちれば、いくら忍といえどもひとたまりもないだろう。
「じゃあ、死んでみるか?」
隣に立つ男は、甘味処に誘うときと同じ軽い調子で答えた。
「…」
顔をのぞきこんでも、心が読めない。いつだって、この男は不可解だ。何を考えているのか、あるいは何も考えていないのか。
「付き合ってやるぜ?」
ただ、嘘は言わないことを知っている。
だから、今、あたしが頷けば、この男は躊躇いもなくあたしと一緒に死んでくれるのだろう。それは、予感ではなく確信だ。
「…やめておこう」
崖のギリギリのところに立っていた足を一歩引いた。
男が片眉をひょいと跳ね上げる。
「いいのか?」
少しだけ、残念そうな響きが聞こえた。
「…」
何も言わずに踵を返してあたしは日常に帰っていった。

(だって、今、おまえと死んだって何にもならないじゃないか)
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更新はまったり遅いですが、徒然なるままに日記やら突発でSSやら書いていく所存ですのでどうぞヨロシク。
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