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白鳥は 哀しからずや 空の青 海のあをにも 染まずただよふ
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Thu 22 , 01:14:55
2010/04
またしてもお久しぶりです。すみません。
えー、まあ、毎回いいわけばかりもアレなので、今回はそれはさておき。

以下、私が今呼んでいる小説から引き起こされた走ることへの憧れなどをつらつらと書き綴ってみました。…って、同人サイトの日記に書く内容じゃないですね。


たった十人きりで箱根を目指す大学生たちの小説を読んでおります。
なんなんでしょうね、この高揚感。私はお正月にテレビ放映される駅伝を真剣に見たことはないので風景なんかをリアルに想像することはできないのですが、呼んでいるだけで不思議な高揚感と興奮を覚えます。

持久力がなく、長距離は大の苦手なわたくしですが、走ることじたいはきらいではないのです。何せ、かつて、大昔には陸上をやっていたこともあるくらいですし。むしろ、好きといって差し支えがないと思います。

テニス、バスケ、野球、サッカーなど、さまざまなスポーツがありますが、なかでももっとも美しいと思うのは陸上です。私は陸上をやめてテニスをはじめ、さらに今では違うスポーツをやっておりますが、陸上を、走るだけのあの行為を美しいと思う気持ちは変わりません。どころか、陸上から離れてその思いが強くなった気がします。純粋に、自分の肉体のみでどこまでも高みを目指すそのストイックさに惹かれてやみません。

長い距離をひたすらに走るその先にいったい何を望むのか。苦しく辛いことなどわかりきっているというのに、なぜわざわざそんな苦行を自らに課すのか。
逆に、ほんの短い距離を大会で走るためにその何倍、何十倍、何百倍もの距離をひたすらに走り、自らを研ぎ澄ましてゆく、その行為の果てに何があるのか。何を見るのか。

私は足が速くないことはわかっていたし、もっと違うことをしたいという好奇心や練習の辛さから走ることから逃げ出しました。その結果として、おそらくあのまま陸上を続けるよりもずっと、今のほうが陸上という競技を好きになれた気がします。

今読んでいる小説以外にも、全三巻の某陸上小説を高校生の頃に読み、いたく感動して陸上部に在籍している友達にすすめて読ませたりもしました。
かつて陸上競技場で走り、そのたった100mのために練習を積み重ねたからこそわかる世界、というものがあったと思います。さまざまなシーンを簡単に想像し、思い出すことができました。陸上経験のない人があの小説を読んでどう思うのか私にはわかりませんが、私は感動しました。いえ、感動、とは何か違うのかもしれませんが、何かこみ上げるものがありました。それと似た感覚を今もこの小説を読みながら感じています。走りたい、と純粋に思わされました。現役時代にこの小説を読みたかった、とも。
バスケ、テニス、野球など、さまざまなスポーツを題材にしたマンガや小説を読んでもそう思うことはありません。…いえ、ないと言ってしまえばウソになるかもしれません。でも、あの小説ほど鮮烈にそのスポーツへの憧憬を抱かせなかったのは確かなことです。某バスケマンガは大好きですが、バスケに対する憧れよりはそのマンガ、その世界に対する憧れを抱いた気がします。
おそらく、そう思うのは私がもともと陸上という競技が好きで、憧れを抱いていたからこそその小説が背中を押す形で強烈な憧憬を胸に沸き起こしたのだと思います。
陸上において私が経験したどの種目の中にも感じられる、あの永遠とも想える一瞬にこめられたドラマが、いとおしくてなりません。
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