白鳥は 哀しからずや 空の青 海のあをにも 染まずただよふ
Tue 26 , 20:00:26
2012/06
だからどうして。
なんでなんで。
どうしてこんなことになったのだろう。
なんだか久しぶりに書きたくなったので、四←カカシ←ナルトです。あんまり楽しい話じゃないです。
なんでなんで。
どうしてこんなことになったのだろう。
なんだか久しぶりに書きたくなったので、四←カカシ←ナルトです。あんまり楽しい話じゃないです。
どうして、こんなことになったのだろう。つん、と熱くなった瞼に気付かないふりをして大きく息を吐いた。
大事な人。
大切な人。
大好きな人。
遠い昔に、死んでしまった、俺のせんせい。
「俺は、先生のことが好きなんだってばよ…!」
俺のせんせいによく似た容姿の、俺の、教え子。
せんせいの、忘れ形見。
ナルトは近頃あの人に似すぎていて、俺はすこしつらい。
顔立ちはクシナさんに似ているくせに、髪の色も瞳の色もまとう雰囲気も、ナルトはあの人に似ている。年の頃だって、今のナルトは一緒にすごしたころのあの人と同じくらいだ。
今更、あの人とナルトを間違えたりなんてしまい。でも、ふとした瞬間に、重ねてしまう。そして、思い知るんだ。俺が、まだあの人を好きなこと。どうしようもなく、想っていること。
「ナルト、俺は…」
強く抱きしめられて、身動ぐことすらできない。いっそ、息ができないほどに、何も考えられないほどに抱きしめてくれればいいのに、と頭の隅で思った。
俺はおまえが大事だよ、ナルト。師としてだけじゃない。父のように、兄のように、おまえをずっと愛してきたよ。おまえの幸せを誰より願っている。嘘じゃない。でも、それなのに、知りたくなかったよ。おまえの幸せを誰より願う俺なのに、おまえを幸せにしてやれない、なんて。
「俺は…」
俺を強く捉える腕が更にきつくなる。
どうか、いっそこのまま俺の息の根をとめてくれないだろうか。おまえを抱きしめ返すことも、拒むこともできない俺を、このまま殺してはくれないだろうか。
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