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白鳥は 哀しからずや 空の青 海のあをにも 染まずただよふ
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Sun 01 , 22:00:45
2012/07
・サナダテ
・戦国
・政宗視点(独白?)

雰囲気で読んでください。
昔のねためもさるべーじ企画。

 きれいな男。
 まっすぐで、迷いがなくて、ひたむきな男。
 その潔さに、ひかれた。

(熱いな)

 この男はいつだって熱い。
 いくさばで刃を重ねるときも、こうしてただ向き合う瞬間も。
(飛び火して、こっちまで熱くなる)
 いつか、燃やされそうだ。
(…それも、悪くはないが)

 数多の血を流し、誰を彼をも殺し、父まで殺して奥州を手に入れた。きれいごとを言うには、この手は汚れすぎている
 だから。
 天下を手に入れたいと願うのも。戦のない世が欲しいと望むのも。ただの、俺の我侭。

 きれいなものを見たかった。
 笑ってくれるなら、救われる気がした。
 赦して欲しかった、俺が生きていることを。

『化け物』
『お前なんて生まなければよかった』
『一つ目に当主などつとまるわけがない』
『死んでしまえばいいのに』

 居場所が、欲しかった。


(そんなきわめて個人的な感情で戦う俺にとって、一つの信念のために生きるあいつはまぶしかった)

 いくさばで刃を重ねるとき、そして不思議なことにこうしてただ向き合って言葉を交わすだけの瞬間も、乾きは癒された。
(この男といるときは、その時だけは俺も人になれる)

 ふ、と息を吐いてゆるりと笑んで見せれば、闇にゆらめく灯火に移る、ギラギラと俺を捕らえる獣の瞳。
 いくさばでも、こうしてただ言葉を交わしているだけの瞬間でも、閨でも。
 向けられる、この熱い獣の瞳が俺の乾きを何より潤す。

(否、人になれるのではない。この男といれば、獣に堕ちる自分すら許容できるだけのことだ)
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