忍者ブログ
白鳥は 哀しからずや 空の青 海のあをにも 染まずただよふ
[573]  [572]  [571]  [570]  [569]  [567]  [566]  [565]  [564]  [563]  [562
Sat 21 , 12:39:29
2024/12
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

Sun 01 , 23:57:36
2012/07
過去ねためもさるべーじ企画

・真田兄弟
・さなだて前提?
・真田兄捏造


真田兄に猛烈に夢を見ています。

「兄上!」

 ひどく、驚いた。頬を紅潮させ、喜びをおさえきれないとでもいうかのように口元を緩ませた弟。鬼ではない。年相応の、あるいはそれよりも幼くさえある少年がそこにはいた。
「兄上」
「…どうした、源次郎」
 問い返せばほころぶように返される笑顔。
「兄上、某は竜にあいました」
「竜?」
「はい。蒼い稲光を身にまとう、見たこともないほどに美しい竜にござった」
 うっとりと、夢を見るかのように。憧れを抱く少年のように。
(始めてみる、表情)

 何かが変わり始めている。

 いくさしか知らぬ弟。花の香りも、鳥のさえずりも、治める領地の美しさすらも知らず、見向きもせず。御館様の上洛のため、と。たちふさがる者を容赦なく切捨て、ためらいなく命を奪う。
 切り捨てた命の重さも知らず、血にまみれた姿でわらう、赤い鬼。

(このままでは、いけない)

(このままでは…)

源次郎は、本当の鬼になってしまう。


「兄上、あの花はなんという名でござろうか」
「え?」
「たいそう美しい花だ。ぜひ名を知りたい」
 花になど興味のなかった弟。
「あれは…芙蓉という花だ」
「芙蓉…」
「ああ、見目だけでなく香りもうるわしい花だ」
 人間らしさを少しずつ手に入れている弟。目を細め、花を愛でる。
(こんな源次郎を、見たかった
「あの方に、よく似ている」
 年相応のその表情には、鬼の気配の名残もない。
(青き竜殿に…限りのない、感謝を)
 たとえ、二人の関係がどのようなものになったとしてもかまわない。結果、源次郎が深く傷ついたとしても。
 鬼であり続けるよりも、傷つく心を持った人であって欲しい。
 それが、この愚かな兄の願いだ。
PR
COMMENT
name:
title:
color:
mail:
url:
comment:
pass:   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

[secret_check]
カレンダー
11 2024/12 01
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31
フリーエリア
最新CM
[03/05 ・・・。]
[01/12 たっち]
[10/31 たっち]
[09/28 たっち]
[12/26 merange]
最新TB
プロフィール
HN:
性別:
女性
職業:
学生
趣味:
読書、昼寝
自己紹介:
更新はまったり遅いですが、徒然なるままに日記やら突発でSSやら書いていく所存ですのでどうぞヨロシク。
バーコード
ブログ内検索
徒然記 (c)静
template design by nyao
忍者ブログ [PR]