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白鳥は 哀しからずや 空の青 海のあをにも 染まずただよふ
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Tue 20 , 23:22:14
2007/11
テスト週間に入っちゃったんでしばらく、日記もかけないやも…。
学生の悲しい定めです。
赤点取ったら洒落にならん!

得意な科目は落とせないし、苦手な科目は赤点とらないようにしなきゃだし。今回は日本史の範囲が広すぎてやばいです。しかも、苦手なところだし…。

頑張れ自分!
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Sun 18 , 00:18:03
2007/11
それなのに、どうして今更こんなに悲しいのか。

シカマルはあたしのことをどう思っているのか。

はっきりさせたいのなら、聞けばいいのだ。
シカマルは嘘を言わない。
だから、聞けば本当のことを教えてくれる。
それが、怖い。

だって、おまえのことなんか好きじゃない、なんて言われたら立ち直れない。
本当のことを知りたくて、でも知るのが怖くて。
いつからこんなに臆病になったんだろう。

小さいころからあたしはずるかった。
でも、こんなに臆病じゃなかったはずなのに。

(あのころに、戻りたいな…)

アカデミーのころは、楽しかった。
だって、みんな笑ってた。
あたしはこんなに切なくなるほどに誰かを好きになることなんてなくて、サスケくんを見てかっこいいって騒いで、サクラといろんなことを話して、シカマルとチョウジと一緒にいろんなところに行った。
悩みなんて、なかった。
成績は優秀だった。
友達もたくさんいた。
先生の覚えもよかった。
親にもめいっぱい愛されてた。

(あのころが、あたしの人生の全盛期だったりして)

その考えを否定できない自分がいる。
結婚した日、あんなに幸せだったのに。
あの日から、シカマルは何も変わっていないのに。
あの時のように、シカマルを信じられない自分が確かにいる。


優秀な成績をとるのは簡単だった。
ただ頑張ればよかったのだ。
でも、ただ頑張るだけではシカマルはあたしを好きになってくれない。
どうすれば、いいの。

シカマルのそばにいられるだけでいいと思っていたこともあった。
本当に、それだけで嬉しくて幸せだった。
それなのに、いつの間にこんなに贅沢になったの。
あたしの告白を受け入れてくれて、プロポーズにもオーケーしてくれて、今も、一緒にいてくれるのに。
この上なく、優しいのに。
それなのに、今度は一番に思ってくれなきゃいやだなんて。
アスマ先生の次じゃ、いやだなんて。

生きてる人の中での一番じゃなくて、全部の人の中での一番になりたいなんて、そんなこと望んじゃダメなのに。

いつから、こんなにわがままになったの。
Thu 15 , 23:32:21
2007/11
あたしたちが結婚した日、シカマルは式のぎりぎりの時間までアスマ先生のお墓にいた。
そこでシカマルが何を思っていたのか、あたしは知らない。


あの時、あたしは不安だった。
もしかして、シカマルはあたしのプロポーズにオーケーしたのを後悔してるんじゃないか、って。
このまま、どこか遠くへ行ってしまうんじゃないか、って。
信じていなかったのではない。
信じきれなかったのだ。
あたしにはシカマルを信じきる強さがなくて、それがとても情けなかった。

でも、シカマルはちゃんと来てくれた。
急いで着替えて、すっかり準備の整ったあたしを見て少し微笑んだ。

「似合ってるじゃねぇか」

その一言に、あたしが泣きそうになったことをシカマルは知らない。
ほめてくれたのが嬉しかった(だって、シカマルは嘘をつかないから)。
来てくれたのが嬉しかった(だって、シカマルが愛してるのはアスマ先生だって知ってるから)。
シカマルを疑った自分を殺したくなった(だって、シカマルはちゃんと来てくれたのに)。


長ったらしい神父のセリフを欠伸をかみ殺しながら聞いているシカマルを横目で見ながら、あたしはアスマ先生のことを考えた。
あの時、アスマ先生は死ななかったら今頃は紅先生と夫婦になっていたはず。
二人が結婚したら、シカマルはどうしたのだろうか。
それでもアスマ先生を愛し続けるのだろうか。
それとも、諦めるのだろうか。
そしたら、あたしのことを愛してくれたのだろうか。
(どうして、今…こんなこと考えてんだろ)

「では、誓いのキスを」

その言葉に向き合うと、目が合った。
とっさにどういう表情をしていいのかわからなかった。
シカマルは、あたしの目を見て照れたような表情で小さく笑った。
シカマルの黒い瞳に映ったあたしは、この上なく幸せそうな表情で笑っていた。

(そっか…)

ごちゃごちゃいろんなこと考えてたけど、それでもあたしはやっぱり嬉しいのだ。
シカマルの隣にいるちゃんとした理由がこれでできる。
幼馴染なんていう不確かで曖昧な関係じゃなく、夫婦として一緒に入れる。
(それって、すごいことよね)

シカマルの“妻”は、世界中であたし一人なんだから。

そう思ったら、今更ながらに幸せが押し寄せてきた。
優しい触れるだけのキスをしながら、あたしはきっと今世界で一番幸せな女だ、と思った。

アスマ先生のことは、いつの間にか思考の外に追いやられていた。
Sat 10 , 02:35:33
2007/11
猫の死体を見た。
バスの窓からちらりと見えただけだけど、内臓が飛び出ていてキレイな死体ではなかった。
道路の真ん中だった。
「あ…」
思わず声を上げると、隣にいた友人が聞いた。
「どうしたの?」
「今、猫の…死体が」
小さく呟くと、彼女は素早く言った。
「かわいそうって思っちゃダメ」
「?」
よくある話。
野良猫を見たとて拾ってやるわけでもなし、いちいちそんなことを思っていてはいけないのかもしれない。
猫が、好きだ。
でも拾ってやることはできない。
あの、無残に息絶えた猫を葬ってやることも、しない。
「同情しちゃうと、その猫の霊が乗り移るんだって」
カミサマとか幽霊とか、信じていないくせに。
そういうことだけはやたらに気にする。
それはいったいなんなのだろう。

随分前に黒猫の死体をみたことを思い出した。
ただ、ぐったりと倒れていた黒猫。
次の日には、もうその死体はなくなっていた。

今日見たあの子も、誰かが連れて行くのかしら。
ちゃんと、どこかに埋めてあげてくれるのかしら。
(きっと、ムリなんだろうな)
でも、せめて。
あの道の真ん中で倒れていたかわいそうなあの子がこれ以上傷つけられる前に。
少しでも、早く。
あの場所から、連れて行ってあげてほしい。



次の日は、交通事故の現場を見た。
男の人がぐったり倒れていた。
真っ青で、近くに自転車が倒れていた。
多分、たまたまそのとき近くにいただけだろう人が携帯電話を耳に押し当てていた。
救急車を呼んでいるのだ。
でも、その場所は病院から歩いて2分ほどの場所。
不便だな。
たったこれだけの距離しかないのに、救急車が来て彼を病院に連れて行ってくれるまでにどれほどの時間がかかるだろう。
私は今日もバスに乗っていて、バスの窓からその様子をちらりと見ただけだった。
(あの人は…無事だっただろうか)
朝、いってきますと家を出て。
そして二度と帰ってこなかった。
そんな哀しいことは、いやだ。
彼の家族のためにも、そんな哀しいことはいやだ。
(どうか…無事でいますように)

それにしても、不思議なものだ。
たとえば、今朝のように誰か“人間”が目の前で車に轢かれたら赤の他人であろうとも急いで救急車を呼んでそばにいるだろう。
だけど、車に轢かれた猫はそのままにされるのだ。
私だって、目の前で猫が轢かれたとしてもきっと何もしてやれない。
命のない体に触れるのはひどく勇気がいることのように思えるし、抱き上げた身体をどうすればいいの?
公園に、埋める?
その上を子どもたちがふみつけるだろう。
そんなのは、いやだ。
何もしてやれない。

昨日、猫が倒れていた場所は今朝はきれいになっていた。
あの場所で猫が倒れていたことをいったい何人が覚えているだろう。
(今度生まれてくるのなら、車の少ない場所がいいね)

どこにいったんだろう。
あの、猫。
Sat 27 , 14:51:48
2007/10
ただいま、サナダテ(BASARA)が脳内でフィーバーしております。
というわけで、昨日少しだけ「ローマの休日」を見た結果、サナダテでローマの休日なパラレルの妄想がむらむらと…。

アン王女→政宗
ジョー→幸村



「今回の視察で、国家間の友好は成ると感じましたか?」
集まった一人が言った。
そちらに顔を向け微笑みを作る。
「国家間の…友情を信じます」
ゆっくりとあたりを見回す。
こちらを一心に見つめ続ける幸村を見て胸がチクリと痛んだ。
「人と人の間に、友情があるように」
幸村の隣りにはやっぱり佐助がいて、目が合った瞬間、泣きそうな顔で笑みを向けられた。
「我が国を代表して申し上げます」
強く張りのある声。
(幸村)
顔をそちらへ向け、その瞳を見つめる。眩しいほどに真っ直ぐな光に泣きたくなる。泣いて、一緒にいたいと縋りたくなってしまう。
「殿下の期待が裏切られる事は…ないでしょう」
殿下という呼び方に胸が痛む。名前を呼ばれる事は、きっともう二度とない。俺が幸村の名を呼ぶ事も、きっと。
ぎこちない幸村の笑みに俺も、内心を隠して精一杯の笑顔を返す。
どんなにわずかでもいい。幸村の記憶に残る俺が笑っているように。
「此度、殿下は多くの国を訪れたわけですが…」
無理やり視線をはがして新たな質問者に顔を向ける。視界の端に映る幸村はまだ俺を見ている。
その視線の熱さに焼尽くされる事ができればいいのに。
「一番、印象に残ったのはどこですか?」
「…」
黙っていると、傍らに立つ小十郎が急かすような素振りを見せた。
「…それぞれにいいところがあって、比較するのは難しいですが…」
見回せば、いくつもの期待に満ちた視線。
その中の一人と目が合って、考えるよりも先につぶやいてしまった。
「甲斐…」
皆がざわめく。
俺は幸村の目を見つめながらもう一度、今度ははっきりと言った。
「もちろん、甲斐です。俺は…この地を訪れた思い出を、一生忘れないでしょう」
言ってから、視線を逸らした。
泣き笑いのような表情を浮かべる幸村を見ていられなかった。
「ご病気を召されたのに、ですか?」
不思議そうな誰かの声にはっきりとうなずいた。
「それでも、です」
真田幸村に出会えたから。
生涯忘れられない、たった一日限りの恋をしたから。

きっと、一生、忘れない。
Wed 24 , 23:31:47
2007/10
今日、授業で史料として与謝野晶子さんの「君死にたまふことなかれ」を読みました。日本史で、日露戦争をやってるんで。

最初の数行は、なんとなく暗記していたんですよ。
でも、ちゃんと読んだことはなかったかもなぁ、と読んでいたら…授業中だというのに、泣きそうになりました。
実際、目に涙が浮かんできて、まわりにばれないようにするのにちょっと苦労しました…。

私にも、弟がいます。
弟が戦争になんて行ってしまったら…考えるだけでも恐ろしいことなのに。
それなのに、家族を思って戦争に反対するだけで、「非国民」とののしられ、嫌がらせを受ける時代だったんですよね。
きっと、晶子さんのように戦場に赴く大切な人を思って涙を流した人は数え切れないほどにいたことでしょう。それでも、その悲しみを大声で訴えることすら許されない時代。
その中で、堂々と弟を思ってこの歌を詠んだ与謝野晶子という歌人を、心からすごいと思います。

もし、兄や弟が戦争に行ってしまったら。
私は、泣くでしょう。
泣いて泣いて泣いて、どうしようもないほどに泣くでしょう。
戦争を怨み、敵国を憎み、日本を嫌いになるかもしれません。
それでも、きっと私には晶子さんのように「非国民」と罵られてまでその悲しみを訴える勇気がない。
家族の無事を願う心に、戦争を憎む心に嘘はないのに、どうしてもその勇気がないでしょう。
自分が、周りから責められることを恐れてしまうでしょう。

ああをとうとよ君を泣く
君死にたまふことなかれ


幸いにして、彼女の弟は無事に帰ってきましたがこの戦争は数多くの命を奪いました。
日本兵も、ロシア兵も、数え切れないほど多くの命が奪われました。
戦争というものは、絶対にあってはいけないことです。
殺すことも、殺されることも、あってはいけないことです。
そんな世界はどこにもないのかもしれないけれど。
それでも、その事実は忘れてはいけないことだと思います。

この世ひとりの君ならで
ああまた誰をたのむべき
君死にたまふことなかれ
Sun 21 , 00:00:58
2007/10
歌舞伎を見てきました。
ほんと、すごいです。面白かった。この興奮をどう表現しましょうか。

歌舞伎を見たのは二度目なんです。
去年初めて見た時もすごく興奮しました。
学生の特権ということで、格安で見れるんですよ。なのに、みんな見に行かないんですよね。なぜか。
なぜだろう?
映画とほぼ同じ値段で、歌舞伎が生で見れるんですよ?これを見ない手はないでしょう。

日本文化の素晴らしさと言うヤツを改めて実感しました。
いや、もともと古典大好きだけどね!!

日本人は、もっと日本文化に触れたほうがいいと思います。英語とかよりもそっちのほうが大事だと思います。

以前、家族で食事に行った折、母上と話してたら近くの席にいた見知らぬおじ様が、「言葉遣いがきれいですね」って言ってくれたことがありました。友人や先輩にも「言葉遣いがきれい」って言われたことがあります。でも、本当にごく普通にしかしゃべっていないんです。
確かに、普通に友人と会話をしていたり、他の人がしゃべったりしているのが耳に入ってきたりしたとき、その言葉の使い方はどうなの、とか使い方が間違ってる、とかっていうのは割りとよくある話なんです。「それ、使い方間違ってるよ」とか言っても「そうなの?ま、いいじゃん。気にするな」とかって流されたり…。

日本語もちゃんと話せていないと言うのに他国の言語を学ぶなんて傲慢なんじゃないかなぁ、とか思ったりします。しかも、最近では国語よりも英語の方が重視されている気が…。国際社会とかなんとか言うのもいいけど、自分の国の文化も知らないのに他国に目を向けるのは、それこそ国際人として恥ずべき行為なのでは?

これから先、外国に移住して一生日本には戻ってこない、という人ならばまあ、その国の言語のほうを重視するのはわかりますが、大半の人はこれからも日本で生きていくのでしょう。それなのにこの国の文化をおろそかにする、というのはいただけません。

別に、世界史よりも日本史のほうが大切だとか、英語よりも国語のほうが大切だとか、一方的に言っているわけじゃありません。外国の文化を知ることも、それは大切だし面白いと思いますよ。でも、この国の…“日本”という国の歴史、文化、言語などを軽く見すぎる傾向があるんじゃないかなぁ、とふと考えただけです。

ちなみに、かく言う私は英語は大の苦手です。
Sun 14 , 17:42:33
2007/10
頑張って、3つ書きました。
ひとつずつが結構短いんですけどね…。

「天上の花」「彼岸花」「曼珠沙華」「相思華」全部、おんなじです。全部、彼岸花のことです。
シリーズ名を「天上の花」にしたけど、サブタイトルは「彼岸花にまつわるエトセトラ」って感じですかね。
以下、ネタバレ?作品の解説です。

彼岸花
シカ←いの風なお話。
いのはシカマルがアスマのことを好きなんだと思ってる。別に、シカマルはそういう意味でアスマのことが好きなわけではないんだけど、そう思い込んでるからいつかシカマルがアスマを追っていなくなるんじゃないかと心のどこかでおびえている。シカマルはどこにも行くつもりはないんですけどね。
シカマルの中では、アスマの死は既に決着のついたものだから深い意味で「彼岸花が好き」と言ったわけではないんだけど、そういう誤解をしているいのは「此岸には花(=シカマルの心を動かすもの)はないのかもしれない」って誤解しちゃう話。


曼珠沙華
「彼岸花」のあとの話。家に帰ってからいろいろ考えるシカマル。アスシカ風にしたけれど、別に二人は恋仲ではなかったのですよ。
シカマルのアスマへの思い。それを周りの人は正確に理解していない。
「大切」で「好き」で「愛してる」けど「恋」ではない。
シカマルはいののことを幼馴染としか見ていないけれど、それでも大切な存在なんですよね。それを伝えるつもりはないけれど。逆に、いのはシカマルのことが好きだから幼馴染として以上に今のシカマルが心配。


相思華
「彼岸花」「曼珠沙華」の後日談、って感じですね。シカマルとカカシ先生は仲良しがいいです。お互いに一番大切な人を失った喪失感を抱えている。というわけで、当サイトでは基本的に二人は仲良しです。
カカシ視点なので、シカマルが何を考えているのかイマイチわかりにくいけど、シカマルはカカシと一緒にいるのが好きです。だから、カカシが笑ってるとシカマルも嬉しくなる。お互いに似てるから、鏡のようなものだと考えてる。シカマルはカカシの幸せを願っているし、カカシもシカマルの幸せを願っている。
彼岸花は二人にぴったりすぎる花でした。



趣味に走ったお話でした。
一応、この3つだけで「天上の花」は終わらせるつもりだったけど…紅サンとシカマルの話を書くのもいいかもしれないなぁ…なんて考えてたり。
Fri 12 , 21:07:42
2007/10
あー…なんか、ものすごく久しぶりに日記を書く気がします。いや、実際久しぶりなんだけど…。
まあ、色々忙しいのです。学生さんは。特に、受験生は。
というわけで、これからも更新は滞りがち。
やる気があるだけに、これは辛い。
パソコンに触るのも何日ぶりか…。

でも、まあ、目指すものがあるので頑張りたいと思います。
Tue 25 , 00:53:38
2007/09
どう考えても、恋する相手を間違えている。

どうして、俺はこの忍に惚れてしまったのだろう。
どうして、俺様は独眼竜の旦那に恋してしまったのだろう。

言葉にすることすら許されないような、相手に。



「ほんと、最悪な組み合わせだよねー」
「全くだ」

情事のあとのけだるい身体を沿わせる、ほんのひと時の間に、俺たちはため息をついた。

ああ、もうすぐに起き上がって帰らなくちゃ。
俺は、忍なんだから。

さっさと身を清めて、床について。明日も政をしなくては。
俺は、殿様なんだから。

「せめて、さ」
「Ah~?」

忍がそっと身体を起こす。
離れる温もりが寂しい、だなんて。
そんなのお互い様。
言わなくたって、知ってる。
言ってはいけないって、知ってる。

「あんたと片倉の旦那で、俺と真田の旦那っていう組み合わせだったら、マシだったよね」
「まあな。俺と真田で、おまえと小十郎っつーのもまだ今よりはマシだと思うがな」

閨でのこんな軽口でさえ、胸を締め付けるほどにいとおしいけれど、それでもこんなひと時でさえ、許されるはずのない関係。

敵同士で、それだけでもしんどいっていうのに、殿様と忍?

「お芝居にもないよね、こんなの」
「もともと、男同士なら芝居にならねえだろうが」
「まあね」

くす、と笑って忍が闇に溶ける。
気配に聡い独眼竜はそれでも忍がどこにいるのかわかるのだけれど。

「じゃあね」
「ああ」

見送ることなんてしない。
何もなかったかのように、二人、知らん顔。
敵方の大将に入れ込む忍なんて、冗談じゃない。
敵方の忍に惚れてしまった大将だなんて、冗談じゃない。

誰も知らない、誰にも知られてはいけない関係。

痛みがじわじわと胸を焼くけれど。

(でも、幸せ…かもしれないな)
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自己紹介:
更新はまったり遅いですが、徒然なるままに日記やら突発でSSやら書いていく所存ですのでどうぞヨロシク。
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