白鳥は 哀しからずや 空の青 海のあをにも 染まずただよふ
Tue 12 , 00:52:16
2010/10
サナダテ妄想していたはずが書きはじめたらまさかの家康×女政宗になってしまった妄想です。
家康の口調がわからないのに何を思って書きはじめた自分…。
ものすごく中途半端なところで切れてます。
家康の口調がわからないのに何を思って書きはじめた自分…。
ものすごく中途半端なところで切れてます。
・戦国
・家康×女政宗
・妊娠ねた
・甘くはないです
東西に分かれた天下分け目の大戦。
勝ったのは東軍だった。その総大将である徳川家康は、快活な笑顔を浮かべ、これからは絆が作る太平の世でみなで幸せになろう、と言った。その同盟者であり旧友である政宗は決して徳川の下につく心積もりはなかったが、図らずも家康が天下人となるための立ち役者の一人となってしまった。今更、家康から離反して戦のない世を築きつつある天下に今一度戦乱の嵐を吹き起こすのは、政宗の望むところではない。不満は山ほどもあったが、それらを皮肉に交えて家康に当てこすりながらも、この男の作る天下はきっと暖かくて幸せなものだろうと信じていた。
家康は、ずっと恋をしていた。
背が低く、少し肥満気味で本田忠勝に頼ってばかりの頼りなく無様な少年のころからずっと思い続けている人がいた。
『これがおれの国だ。おれの守るべきもので、もっとも大切なものだ。美しいだろう。これを守るためならば、おれはおれ自身を犠牲にすることに何のためらいもない。愛しているんだ、この国を。だから、守りたい』
そう言って微笑んだ横顔に、恋をした。
彼女と対等になりたかった。
彼女に、異性として見てほしかった。
だから努力した。己を鍛え、政務に励み、武道に励んだ。
幸い、遅い成長期が訪れたおかげで彼女に出会ったころよりもはるかに背が伸び、声も低くなり、気がつけば彼女と並ぶに遜色ない居丈夫になった。
しかし、そのころには彼女はもうすでに出会っていた。無二と呼ぶべき男に。
二人の関係がただの宿敵であったのか、それ以上の男女の色めいた仲であったのかを家康は知らない。だが、誰の目から見ても明らかなのは政宗もあの男も互いを無二と定め、誰よりも特別に思っていることだった。
『おれは生涯を奥州に、背中を小十郎に、そして命をあの男、真田幸村に預けているんだ。おれの命を奪っていいのはあいつだけだ』
その代わり、あいつの命を奪っていいのもおれだけだけどな。
ひどく幸福そうにそう言っていた姿に、家康は抑えがたい怒りと醜い嫉妬を覚えた。
そして、抑えきれずに。
政宗も家康も多くの部下を従える立場にいる。だから、二人は決して部下たちには何があったのか悟られないように配慮した。天下分け目の大事な時期に、先頭に立つべき二人の不仲を知られるわけにはいかなかたからだ。
政宗はあの夜以来、決して家康と二人きりになることはなかった。たとえ昼日中であろうとも、陣中であろうとも、城下を歩くときであろうとも、決して、二人きりにはならんかった。表面上は今までどおり気安い友人として振舞いながらも、政宗は家康の前では一瞬たりとも気を抜かず、心から笑うこともなかった。目前に迫った大戦のために家康自身、政宗のために割ける時間もないに等しかった。
そして大戦が終わっても政宗の態度は変わらず、服従せず、あくまで対等なものとして接しながらもそこには以前のような気安い関係ではなくはっきりとした線がひかれていたのだ。
あの夜からもう二月以上経っていたが未だに家康はあの夜のことについてなんの弁明もさせてもらえていない。二人きりで話したい、大事な話しがある。そう呼び出しても政宗はおれは小十郎に聞かせられない話を聞くつもりはない、と言って常に小十郎を伴っていた。竜の右目と呼ばれる男はあの夜のことについて知ってか知らずか常に家康を警戒し、主を守るように半歩下がったところで目を光らせていた。
いっそ、小十郎の目の前でもいいからすべてをぶちまけて許しと愛を乞おうと何度思ったか知れない。けれど、そんなことをすれば今以上の拒絶にあうこと等解っていた。だから、家康は唇をかみ締めながらもただ耐え続け、二人きりになる好機を待つしかなかった。
何かに駆り立てられるように政務に励む政宗は、たびたび、国許に帰りたいと打診をしていたが、今離れてしまえばきっと一生この距離から逃れられないとわかっていた家康は天下の情勢がまだ不安なことを理由にその許しを出せないでいた。対等な関係といくら口で言おうとも家康は天下人であり、いくら政宗でもそれに逆らうことなどできない。今逆らえばせっかく築き上げた太平の世に皹が入るに違いないからだ。
根をつめすぎたのか、思いつめすぎたのか、政宗は、その日、城中で倒れた。
政宗が倒れたのが江戸屋敷でのことならばそれを理由に政宗の部下たちは家康を遠ざけただろう。しかし、それは江戸城中であり、家康の目の前であった。
急ぎ医者を呼び政宗を診せた家康は政務も手付かずで政宗の安否を案じていた。
「政宗の容態は」
医者に詰め寄ると、一瞬ためらうそぶりを見せてから、重々しく応えた。
「倒れた原因は疲労と睡眠不足でございます。あと、軽度ではございますが栄養失調の気もみられます。…御懐妊していることにお気づきでなかったのでしょうか、今が大事な時期でございます。精力的に政務に励まれるのも結構ですが、それよりも今は御身を大事にすべきでしょう」
「懐妊…?」
「はい、もうすぐ三月になろうという頃だと見受けられます」
「政宗が妊娠…?………おれの子だ」
呆然とする家康。政宗はこのことを知っているのだろうか。知ったらなんと思うのだろうか。
家康とともに医者の診断を聞いた小十郎は医者が退出すると同時に家康を殴り飛ばす。天下人であろうと関係ない。大事な主を傷つけた男。天下人であろうとも関係がない。憎い、許せない。
小十郎のこぶしを甘んじて受け、そして土下座する家康。
「頼む、片倉。政宗と二人きりで話させてほしい」
渋ったが、その目に思うところがあったのかうなずく小十郎。ただし、次の間に控えているため会話は筒抜け。
目覚める政宗。まず目に入ったのは天井。そして視線をずらした先に家康がいることに驚愕し、反射のようにとびおきようとするが身体が重くて動かない。とっさに視線をめぐらせ、部屋の中に家康のほか誰もいないことに気づき身体を強張らせる。
「倒れたんだ」
「…」
「医者の見立てによると原因は過労と睡眠不足、栄養失調」
「…」
「政宗」
「…」
「自分が妊娠していることは、知っているのか」
「にん…し、ん?」
全身で家康を警戒しながらじっと言葉を聴いていた政宗はそれを聞いたとたんがくがくとふるえだした。確かめるように、まだ平らな腹に自らの腕をまわし抱きしめながら呆然とする政宗をそっと抱きしめる。触れるのはあの夜以来だった。びくりと震えた政宗は拒絶するように家康を押しのけようとするが、男と女の力の差。家康はびくともしない。
「愛している、政宗」
「いえやす…?」
「ずっと伝えたかった、政宗。愛している。おれと夫婦になってくれ。おれがその腹の子の父だと、大声で言わせてくれ」
「…」
「おれを、愛してくれ」
(この続きをどうするか決めかねたので結局放置。ここで切ることにしました。政宗が家康を受け入れたらハッピーエンドにいけますが、個人的には拒絶するほうが好きな感じの展開なんです。でも、それだと愛憎入り混じってどろどろして、幸せになれるかどうか定かではないのでしんどいです。予断ですが、サナ→←ダテ前提のイエ→ダテにしようかとも思ったのですがそれは本当に幸せになれる要素が皆無なのであきらめました)
・家康×女政宗
・妊娠ねた
・甘くはないです
東西に分かれた天下分け目の大戦。
勝ったのは東軍だった。その総大将である徳川家康は、快活な笑顔を浮かべ、これからは絆が作る太平の世でみなで幸せになろう、と言った。その同盟者であり旧友である政宗は決して徳川の下につく心積もりはなかったが、図らずも家康が天下人となるための立ち役者の一人となってしまった。今更、家康から離反して戦のない世を築きつつある天下に今一度戦乱の嵐を吹き起こすのは、政宗の望むところではない。不満は山ほどもあったが、それらを皮肉に交えて家康に当てこすりながらも、この男の作る天下はきっと暖かくて幸せなものだろうと信じていた。
家康は、ずっと恋をしていた。
背が低く、少し肥満気味で本田忠勝に頼ってばかりの頼りなく無様な少年のころからずっと思い続けている人がいた。
『これがおれの国だ。おれの守るべきもので、もっとも大切なものだ。美しいだろう。これを守るためならば、おれはおれ自身を犠牲にすることに何のためらいもない。愛しているんだ、この国を。だから、守りたい』
そう言って微笑んだ横顔に、恋をした。
彼女と対等になりたかった。
彼女に、異性として見てほしかった。
だから努力した。己を鍛え、政務に励み、武道に励んだ。
幸い、遅い成長期が訪れたおかげで彼女に出会ったころよりもはるかに背が伸び、声も低くなり、気がつけば彼女と並ぶに遜色ない居丈夫になった。
しかし、そのころには彼女はもうすでに出会っていた。無二と呼ぶべき男に。
二人の関係がただの宿敵であったのか、それ以上の男女の色めいた仲であったのかを家康は知らない。だが、誰の目から見ても明らかなのは政宗もあの男も互いを無二と定め、誰よりも特別に思っていることだった。
『おれは生涯を奥州に、背中を小十郎に、そして命をあの男、真田幸村に預けているんだ。おれの命を奪っていいのはあいつだけだ』
その代わり、あいつの命を奪っていいのもおれだけだけどな。
ひどく幸福そうにそう言っていた姿に、家康は抑えがたい怒りと醜い嫉妬を覚えた。
そして、抑えきれずに。
政宗も家康も多くの部下を従える立場にいる。だから、二人は決して部下たちには何があったのか悟られないように配慮した。天下分け目の大事な時期に、先頭に立つべき二人の不仲を知られるわけにはいかなかたからだ。
政宗はあの夜以来、決して家康と二人きりになることはなかった。たとえ昼日中であろうとも、陣中であろうとも、城下を歩くときであろうとも、決して、二人きりにはならんかった。表面上は今までどおり気安い友人として振舞いながらも、政宗は家康の前では一瞬たりとも気を抜かず、心から笑うこともなかった。目前に迫った大戦のために家康自身、政宗のために割ける時間もないに等しかった。
そして大戦が終わっても政宗の態度は変わらず、服従せず、あくまで対等なものとして接しながらもそこには以前のような気安い関係ではなくはっきりとした線がひかれていたのだ。
あの夜からもう二月以上経っていたが未だに家康はあの夜のことについてなんの弁明もさせてもらえていない。二人きりで話したい、大事な話しがある。そう呼び出しても政宗はおれは小十郎に聞かせられない話を聞くつもりはない、と言って常に小十郎を伴っていた。竜の右目と呼ばれる男はあの夜のことについて知ってか知らずか常に家康を警戒し、主を守るように半歩下がったところで目を光らせていた。
いっそ、小十郎の目の前でもいいからすべてをぶちまけて許しと愛を乞おうと何度思ったか知れない。けれど、そんなことをすれば今以上の拒絶にあうこと等解っていた。だから、家康は唇をかみ締めながらもただ耐え続け、二人きりになる好機を待つしかなかった。
何かに駆り立てられるように政務に励む政宗は、たびたび、国許に帰りたいと打診をしていたが、今離れてしまえばきっと一生この距離から逃れられないとわかっていた家康は天下の情勢がまだ不安なことを理由にその許しを出せないでいた。対等な関係といくら口で言おうとも家康は天下人であり、いくら政宗でもそれに逆らうことなどできない。今逆らえばせっかく築き上げた太平の世に皹が入るに違いないからだ。
根をつめすぎたのか、思いつめすぎたのか、政宗は、その日、城中で倒れた。
政宗が倒れたのが江戸屋敷でのことならばそれを理由に政宗の部下たちは家康を遠ざけただろう。しかし、それは江戸城中であり、家康の目の前であった。
急ぎ医者を呼び政宗を診せた家康は政務も手付かずで政宗の安否を案じていた。
「政宗の容態は」
医者に詰め寄ると、一瞬ためらうそぶりを見せてから、重々しく応えた。
「倒れた原因は疲労と睡眠不足でございます。あと、軽度ではございますが栄養失調の気もみられます。…御懐妊していることにお気づきでなかったのでしょうか、今が大事な時期でございます。精力的に政務に励まれるのも結構ですが、それよりも今は御身を大事にすべきでしょう」
「懐妊…?」
「はい、もうすぐ三月になろうという頃だと見受けられます」
「政宗が妊娠…?………おれの子だ」
呆然とする家康。政宗はこのことを知っているのだろうか。知ったらなんと思うのだろうか。
家康とともに医者の診断を聞いた小十郎は医者が退出すると同時に家康を殴り飛ばす。天下人であろうと関係ない。大事な主を傷つけた男。天下人であろうとも関係がない。憎い、許せない。
小十郎のこぶしを甘んじて受け、そして土下座する家康。
「頼む、片倉。政宗と二人きりで話させてほしい」
渋ったが、その目に思うところがあったのかうなずく小十郎。ただし、次の間に控えているため会話は筒抜け。
目覚める政宗。まず目に入ったのは天井。そして視線をずらした先に家康がいることに驚愕し、反射のようにとびおきようとするが身体が重くて動かない。とっさに視線をめぐらせ、部屋の中に家康のほか誰もいないことに気づき身体を強張らせる。
「倒れたんだ」
「…」
「医者の見立てによると原因は過労と睡眠不足、栄養失調」
「…」
「政宗」
「…」
「自分が妊娠していることは、知っているのか」
「にん…し、ん?」
全身で家康を警戒しながらじっと言葉を聴いていた政宗はそれを聞いたとたんがくがくとふるえだした。確かめるように、まだ平らな腹に自らの腕をまわし抱きしめながら呆然とする政宗をそっと抱きしめる。触れるのはあの夜以来だった。びくりと震えた政宗は拒絶するように家康を押しのけようとするが、男と女の力の差。家康はびくともしない。
「愛している、政宗」
「いえやす…?」
「ずっと伝えたかった、政宗。愛している。おれと夫婦になってくれ。おれがその腹の子の父だと、大声で言わせてくれ」
「…」
「おれを、愛してくれ」
(この続きをどうするか決めかねたので結局放置。ここで切ることにしました。政宗が家康を受け入れたらハッピーエンドにいけますが、個人的には拒絶するほうが好きな感じの展開なんです。でも、それだと愛憎入り混じってどろどろして、幸せになれるかどうか定かではないのでしんどいです。予断ですが、サナ→←ダテ前提のイエ→ダテにしようかとも思ったのですがそれは本当に幸せになれる要素が皆無なのであきらめました)
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