白鳥は 哀しからずや 空の青 海のあをにも 染まずただよふ
Sun 30 , 00:02:42
2012/09
某おっさんがいとしくて仕方ない。
というわけで、おっさんの妄想してみた。ED後です。で、青年とおっさんの話。というか、おっさんの話。ユリレイと見せかけてアレ←シュヴァ。
というわけで、おっさんの妄想してみた。ED後です。で、青年とおっさんの話。というか、おっさんの話。ユリレイと見せかけてアレ←シュヴァ。
「何度も言ってるだろ。あんたの命は凛々の明星のものだって。勝手に死のうとするなよ」
「…別に、死のうとなんてしてないわよ」
「じゃあ、なんでリタの検診を受けない?なんで体調が悪くても何も言わない?…あんた、もっと自分を大事にしろよ」
「してるわよ。…昔にくらべれば、はるかに」
「くらべる昔が悪すぎるだろ、あんたの場合」
「…生きなきゃいけない、って、そう思ってる。嘘じゃないわよ。でも、…理由が欲しいの」
「理由?」
「生きる、理由が欲しい」
「そんなもん必要ねえだろ。理由なんてなくたって、皆生きてる。俺だってそうだ。生きる理由なんて、考えたこともねえ」
「一度死んだ身としてはね、理由が欲しいのよ。偽者の心臓で生き続ける、そんな理由が。…今までは、あの人がいた。たとえ道具だとしても、それが俺の生きる理由だった」
「でも、死んでたんだろ?」
「そう、心は死んでた。でも、それでも…道具という理由があるから、未だ存在する自分を受け入れ…違うわね、なんていうか…在り続けることができた。でも、今はそれすらないから、さ」
「…俺は死んだことなんざないからな。あんたの言う死んだやつの理屈ってのはわからねえが…」
「…」
「たとえ作り物だろうが、あんたの心臓は未だ動いていて、あんたの生を願うやつがここにいる。生きる理由なんて…それだけで、十分だろうが」
「っ…」
『生きてくれ』
『私には、君が必要なんだ。生きた、君が必要なんだ』
『どうか、生きて欲しい』
「アレクセイ…」
「は?」
「ううん、なんでもない。…うん、そうね。うん。俺が生きていることを…願う、人が…」
「俺も、あいつらも、ユニオンの連中も、騎士団の連中も、皆、あんたが生きることを望んでる。あんたは…生きているっていうだけで俺たちを喜ばせることができるんだぜ?」
「ありがと…っ」
(青年が、俯いて年甲斐もなく泣き出した俺を抱きしめた。14歳も年下の青年の腕の中で泣きながら、俺は遠い昔に誰よりも俺の生を望んでくれた人を思った)
(ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。あなたの言葉を、何一つ聞いていなかった。あなたの思いを、何一つ理解しようとしなかった。ごめんなさい。ごめんなさい。そして、ありがとう。俺を生かしてくれて、ありがとう。俺の生を望んでくれて、ありがとう。
(見ていてください。貴方のくれたこの命、無駄になんてしないから。貴方の望んだ美しい世界を現実にするため、貴方の夢見た世界を作るために、俺は精一杯生きるから)
(貴方がくれたこの命が尽きるその瞬間まで、俺は、一秒たりとも無駄になんてしないから)
(だから、今更だけど。あつかましいこともわかっているけれど)
(貴方のために、どうか、今だけは…泣かせてください)
「…別に、死のうとなんてしてないわよ」
「じゃあ、なんでリタの検診を受けない?なんで体調が悪くても何も言わない?…あんた、もっと自分を大事にしろよ」
「してるわよ。…昔にくらべれば、はるかに」
「くらべる昔が悪すぎるだろ、あんたの場合」
「…生きなきゃいけない、って、そう思ってる。嘘じゃないわよ。でも、…理由が欲しいの」
「理由?」
「生きる、理由が欲しい」
「そんなもん必要ねえだろ。理由なんてなくたって、皆生きてる。俺だってそうだ。生きる理由なんて、考えたこともねえ」
「一度死んだ身としてはね、理由が欲しいのよ。偽者の心臓で生き続ける、そんな理由が。…今までは、あの人がいた。たとえ道具だとしても、それが俺の生きる理由だった」
「でも、死んでたんだろ?」
「そう、心は死んでた。でも、それでも…道具という理由があるから、未だ存在する自分を受け入れ…違うわね、なんていうか…在り続けることができた。でも、今はそれすらないから、さ」
「…俺は死んだことなんざないからな。あんたの言う死んだやつの理屈ってのはわからねえが…」
「…」
「たとえ作り物だろうが、あんたの心臓は未だ動いていて、あんたの生を願うやつがここにいる。生きる理由なんて…それだけで、十分だろうが」
「っ…」
『生きてくれ』
『私には、君が必要なんだ。生きた、君が必要なんだ』
『どうか、生きて欲しい』
「アレクセイ…」
「は?」
「ううん、なんでもない。…うん、そうね。うん。俺が生きていることを…願う、人が…」
「俺も、あいつらも、ユニオンの連中も、騎士団の連中も、皆、あんたが生きることを望んでる。あんたは…生きているっていうだけで俺たちを喜ばせることができるんだぜ?」
「ありがと…っ」
(青年が、俯いて年甲斐もなく泣き出した俺を抱きしめた。14歳も年下の青年の腕の中で泣きながら、俺は遠い昔に誰よりも俺の生を望んでくれた人を思った)
(ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。あなたの言葉を、何一つ聞いていなかった。あなたの思いを、何一つ理解しようとしなかった。ごめんなさい。ごめんなさい。そして、ありがとう。俺を生かしてくれて、ありがとう。俺の生を望んでくれて、ありがとう。
(見ていてください。貴方のくれたこの命、無駄になんてしないから。貴方の望んだ美しい世界を現実にするため、貴方の夢見た世界を作るために、俺は精一杯生きるから)
(貴方がくれたこの命が尽きるその瞬間まで、俺は、一秒たりとも無駄になんてしないから)
(だから、今更だけど。あつかましいこともわかっているけれど)
(貴方のために、どうか、今だけは…泣かせてください)
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