白鳥は 哀しからずや 空の青 海のあをにも 染まずただよふ
Sun 30 , 00:06:24
2012/12
おっさんにときめく属性がどうやら私にはあるらしい。
いや、ずいぶん前から知ってましたけどね…!
というわけで、追記にずっと暖めていたおっさんサナダテねたを少々…。
いや、ずいぶん前から知ってましたけどね…!
というわけで、追記にずっと暖めていたおっさんサナダテねたを少々…。
設定
※55歳真田×57歳伊達(もっと年いっててもいいけど、とりあえず)
※プラトニックっぽい
※真田も伊達も、ちゃんと奥さんも子供もいる
※泰平の世で、息子に家督を譲り、ようやく共に生きる二人
※おっさん×おっさんですよ!
後々、設定変わる可能性大ですが、とりあえず今回はこれで。
目元に刻まれた皺を指でつ、となぞる。
「…いかがなさいました?」
「いや、なんとなく。…老けたな」
「それは、政宗殿も同様でしょう」
苦笑と共に下ろされた手がまねをするように政宗の目元に触れる。
「あんなに、若かったのにな」
二人の他には誰にもいない山奥の小さな屋敷。二人きりをいいことに、縁側で政宗は幸村の膝を枕にだらけていた。差し込む陽光と、これだけは変わらない、幸村の体温が政宗を心地よく暖める。
「今はもう…あの頃のような無茶はできないのが残念でござる」
今でも、鮮やかに思い出せる。
鮮烈な雷。
苛烈な炎。
全力で力を出し合い戦ったあの若い日々。時代の波が二人をさらい、あがくことに必死で、結局、決着はつけられなかった。今ならばもう一度戦い、勝敗をつけることはできるだろう。だが、今更、幸村も政宗もそのようなことは望んでいない。むしろ、あの頃の記憶が鮮烈なだけに、あの頃ほどには戦えない自分にも相手にも失望することを恐れていた。口には出さないが、二人とも、あの記憶を、あの頃の自分と相手の強さをきれいな思い出のままにしておきたいのだ。醜いものや汚いものを山のように見てきた二人の、もっとも美しい記憶を今更汚したくなかった。
「もう、若くねえからな。俺も、…おまえも」
幸村を見上げる政宗の目は穏やかで、あの頃の、何かに飢えたようなぎらぎらした輝きは見当たらない。それをどこか残念に思いながらも、幸村も目元を和ませる。
「若くないからこそ…あの頃には気づかなかったいろいろな物に気づけたのでござろう」
「Ha、言うじゃねえか。あんたが何に気づいたって?」
「たとえば…たった一人への想いが30年以上経とうとも変わり続けること」
「へえ?」
「若い頃は、訳も知らずにがむしゃらにそなたを求めていた。会えない間は、ただただ会いたかった。そして今は…ただ、愛しゅうござる」
優しく目元を緩めたまま、膝に転がる政宗を見つめる。政宗も、笑みを含んだ目で幸村を見つめている。この関係も、そう。昔の幸村ならば顔を真っ赤にして破廉恥と叫び、こんな風にただただ甘い穏やかな空気に耐えられなかっただろう。昔の政宗ならばへそ曲がりと意地っ張りで、こんな甘い穏やかな時間に耐えられなかっただろう。知らない間に、大人になったのだ。二人とも。
「あの頃には戦場か公の場での政宗殿しか知らなかった。しかし、今は政宗殿を知ることができる。某が、政宗殿を知ることを政宗殿が許してくれる。…許されていることを、、今は気づける」
「…」
「政宗殿の料理が美味いことは昔から知っております。だが、政宗殿が野菜を選ぶときにどのような表情をするのか、包丁の研ぎ方へのこだわり、味見するときに目を少し伏せること、思うような味を出せたときに少しほおを緩めること、某が箸をつけるまで、さりげなく気にしているところ…すべて、共に暮らすようになってから知ったことでござる。そして、知るたびに、政宗殿をいとおしく思うのでござる」
「…結構、よく見てるな」
あきれたような表情の政宗だが、耳が赤い。平気な顔して、実はものすごく照れている政宗がいとおしくて、幸村はほほえんだ。
(伝えたいことは伝えられるときに伝えるおっさん幸村×受け入れるし受け止めるけれどやっぱり照れくさいおっさん政宗)
※55歳真田×57歳伊達(もっと年いっててもいいけど、とりあえず)
※プラトニックっぽい
※真田も伊達も、ちゃんと奥さんも子供もいる
※泰平の世で、息子に家督を譲り、ようやく共に生きる二人
※おっさん×おっさんですよ!
後々、設定変わる可能性大ですが、とりあえず今回はこれで。
目元に刻まれた皺を指でつ、となぞる。
「…いかがなさいました?」
「いや、なんとなく。…老けたな」
「それは、政宗殿も同様でしょう」
苦笑と共に下ろされた手がまねをするように政宗の目元に触れる。
「あんなに、若かったのにな」
二人の他には誰にもいない山奥の小さな屋敷。二人きりをいいことに、縁側で政宗は幸村の膝を枕にだらけていた。差し込む陽光と、これだけは変わらない、幸村の体温が政宗を心地よく暖める。
「今はもう…あの頃のような無茶はできないのが残念でござる」
今でも、鮮やかに思い出せる。
鮮烈な雷。
苛烈な炎。
全力で力を出し合い戦ったあの若い日々。時代の波が二人をさらい、あがくことに必死で、結局、決着はつけられなかった。今ならばもう一度戦い、勝敗をつけることはできるだろう。だが、今更、幸村も政宗もそのようなことは望んでいない。むしろ、あの頃の記憶が鮮烈なだけに、あの頃ほどには戦えない自分にも相手にも失望することを恐れていた。口には出さないが、二人とも、あの記憶を、あの頃の自分と相手の強さをきれいな思い出のままにしておきたいのだ。醜いものや汚いものを山のように見てきた二人の、もっとも美しい記憶を今更汚したくなかった。
「もう、若くねえからな。俺も、…おまえも」
幸村を見上げる政宗の目は穏やかで、あの頃の、何かに飢えたようなぎらぎらした輝きは見当たらない。それをどこか残念に思いながらも、幸村も目元を和ませる。
「若くないからこそ…あの頃には気づかなかったいろいろな物に気づけたのでござろう」
「Ha、言うじゃねえか。あんたが何に気づいたって?」
「たとえば…たった一人への想いが30年以上経とうとも変わり続けること」
「へえ?」
「若い頃は、訳も知らずにがむしゃらにそなたを求めていた。会えない間は、ただただ会いたかった。そして今は…ただ、愛しゅうござる」
優しく目元を緩めたまま、膝に転がる政宗を見つめる。政宗も、笑みを含んだ目で幸村を見つめている。この関係も、そう。昔の幸村ならば顔を真っ赤にして破廉恥と叫び、こんな風にただただ甘い穏やかな空気に耐えられなかっただろう。昔の政宗ならばへそ曲がりと意地っ張りで、こんな甘い穏やかな時間に耐えられなかっただろう。知らない間に、大人になったのだ。二人とも。
「あの頃には戦場か公の場での政宗殿しか知らなかった。しかし、今は政宗殿を知ることができる。某が、政宗殿を知ることを政宗殿が許してくれる。…許されていることを、、今は気づける」
「…」
「政宗殿の料理が美味いことは昔から知っております。だが、政宗殿が野菜を選ぶときにどのような表情をするのか、包丁の研ぎ方へのこだわり、味見するときに目を少し伏せること、思うような味を出せたときに少しほおを緩めること、某が箸をつけるまで、さりげなく気にしているところ…すべて、共に暮らすようになってから知ったことでござる。そして、知るたびに、政宗殿をいとおしく思うのでござる」
「…結構、よく見てるな」
あきれたような表情の政宗だが、耳が赤い。平気な顔して、実はものすごく照れている政宗がいとおしくて、幸村はほほえんだ。
(伝えたいことは伝えられるときに伝えるおっさん幸村×受け入れるし受け止めるけれどやっぱり照れくさいおっさん政宗)
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