忍者ブログ
白鳥は 哀しからずや 空の青 海のあをにも 染まずただよふ
[219]  [218]  [217]  [216]  [215]  [214]  [213]  [212]  [211]  [210]  [209
Mon 30 , 22:24:08
2024/12
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

Tue 24 , 20:22:36
2009/03
古典って面白いんです。

とかえらそうに言っても、私が読んだことのある古典作品っていうのは本当に少ない。好きなんだけど、なかなか手を出しにくいのも現実です。原書を読んでもわからないし、だからといって現代語訳もそのへんに売ってるのって難しそうなのが多い。となると子供向けに訳されてるのがいいんだけど、子供向けに訳すのは普通に訳すのより難しいのか、変な訳が多い。中にはこんな訳で読むくらいなら読まないほうがマシ、っていうのもあるくらい。
で、結局ほとんど古典作品を読めないまま現在に至るわけなのです。
読みたいなあ、と思っても手を出しにくい。それって、なんか悔しいですよね。…って、自分が悪いのですが。

で、私がちゃんと読んだことのある古典作品のうち一番のお気に入りは「とりかえばや物語」。小学校中学年のころに読んで以来大好きで何回も読み返してます。あ、もちろん子供向けに訳されたやつですけどね。訳がきれいで読みやすいんです。ちゃんと現代の言葉になってるのに王朝文学の雰囲気が残ったまま、という秀逸な訳でこの物語を読むことができたのは本当に幸せです。だって、このとりかえばや物語を読んだことで古典を面白いものと認識し、興味を持つことができたのだから。

とりかえばや物語は文学作品としての評価は低いんですが、小説として読むのなら十分に楽しめると思います。美形兄妹(あるいは姉弟)が性別を逆転して育ち、そしてある事件を経て本来の性に戻り幸福になっていく、という現代のライトノベルにでもありそうな筋書き。

私がこの物語の魅力と思うところは、男として育った女君の男性的な決断力、自分の考えた道を選ぶ強さと、彼女が本来的に持っていただろう女性的なかわいらしさ。
この女君は、本当にかわいらしく愛しい人なのです。男性的な強さと女性的な弱さのギャップによろりとしてしまいます。計算高いところがあるかと思えば、無垢な一面もあるかわいらしい人です。
この女君を愛した中納言も帝も、そんなところにより惹かれ愛を深くしたのではないかな、と思ったりもします。
PR
COMMENT
name:
title:
color:
mail:
url:
comment:
pass:   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

[secret_check]
無題
こんにちは。思わず書き込んでしまいました。

とりかへばや 私も読みました。高校の図書館にあった小学生向けの訳本で。
おもしろかったのですが、ひどい話だという印象がとても強かったのを覚えています。

だって、強姦で孕まされたうえ権威の座から引きずりおろされたのですよ。
本来の性に戻り一件落着、という終わり方にもすっきりしないものが残りました。それって要する分をわきまえろということ? 女は内にこもってただ男に従っていろということかと。

女はたおやかにひかえめに、というのは古来よりのこの国の考え方なのは分かっているのですが、どうしても違和感を感じてしまいました。

乱文失礼いたしました。
内容にはケチを付けていますが、古文の美しいことばづかいは大好きです。
ヨル 2009/03/26(Thu)09:35:18 edit
ヨル様へ
とりかへばやは確かにひどい物語ではあります。強姦して云々を言われれば何も反論できませんし男尊女卑と言ってしまえばそれまでですが、それでも私がとりかへばやを面白いと思うのは、女君が強い女性だからだと思います。
男性不信となってもおかしくないような状況になって、宇治川に身を投げてしまいたいと思っても、やっぱり生き抜いて「子どもが生まれるまでは…」と中納言を頼る振りをして逆に利用して、子がうまれて兄(弟)と再開して戻る目処がついたらあっさりと捨ててしまえるしたたかさ。そしてその後は中納言には自分の消息をつかませず、ちゃっかり女としての栄光をつかんでいるのですよね(まあ、帝とも最初は…ですが)。

もうひとつこの物語を読んで面白いと思ったのは、平安時代でもこういうことを考える人がいたんだな、っていうことです。女は家の奥に、っていうのが当然の時代に、女が男として栄光をつかむ、っていうストーリーを考える人がいたことが面白かったんです。だって、当時の常識を真っ向から否定するような考え方でしょ。平安時代に限らず「女性は内に」っていうのはつい最近まで当然のように言われていた考え方ですし、現在でもいろいろなところにそのなごりはあります。それなのに、平安時代でも「女性が表に出る」ことを想像した人がいたのは面白いと思いませんか?
まあ、ラストを考えると女の幸せはいい男と結婚して子どもをうんで…なんていう、女性としては非常に腹の立つ考えを含んでいるという気もしますが。終わらせ方も結構ご都合主義なお話ですし…。

まあ、私がはじめてとりかへばやを読んだのは小学生のころ、ということもあり深く考えずに読み、「面白い」という感想が一番強く残ったんだと思います。私も今はそれなりに成長したので当時とは違った読み方や考え方をしていますが、やっぱり第一印象の「面白い」っていうのは強く残っています。
それにしても、同じ物語を読んでも受ける印象が人によって、自分の中でも年齢によって変わる、というのは面白いですね。さらに10年後に自分がこの物語をどう受け止めているか、少し楽しみです。
コメントありがとうございました。
管理人 2009/03/28(Sat)18:15:55 edit
TRACKBACK
Trackback:
カレンダー
11 2024/12 01
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31
フリーエリア
最新CM
[03/05 ・・・。]
[01/12 たっち]
[10/31 たっち]
[09/28 たっち]
[12/26 merange]
最新TB
プロフィール
HN:
性別:
女性
職業:
学生
趣味:
読書、昼寝
自己紹介:
更新はまったり遅いですが、徒然なるままに日記やら突発でSSやら書いていく所存ですのでどうぞヨロシク。
バーコード
ブログ内検索
徒然記 (c)静
template design by nyao
忍者ブログ [PR]